132本目 呪怨 劇場版

2003年
監督:清水崇
主演:奥菜恵
評価:★★★★

呪いの家に入った者たちが呪われる、『呪怨』シリーズ三作目。
今作はビデオ版の正統続編であり、同じ舞台で巻き起こる恐怖体験をオムニバス形式に綴る。
だがそれは、最恐へ向かっていくための序章であった。




日本最恐となるJホラー

それまでのJホラーというのは、『リング』がダントツのトップであった。
あのじめじめとした恐怖。
ドッキリではなく、心の底から怖がらせるという映画は、そう挙げられるものではない。

そこに堂々と君臨した、ホラー映画がここにある。

『呪怨』

ビデオ版だけでも非常に有名ではあったが、この劇場版公開によって、瞬く間にその恐怖が感染していったと言っても過言ではないだろう。

トラウマ必須。怖いものがダメな人にはオススメできない

何が怖いって、全編通して怖いものだらけ。
強いて言うなら、最初は言うほどじゃないですけど、そこが終わるともう容赦無い。

伊東美咲のシーンは大変有名だし、仏壇から出てくる伽椰子なんてのは、本当に神も仏も通用しない恐怖の世界。
人々が普段は安心できる映画シーンや、現実世界でもここなら大丈夫だろうと思う場所にこそ、伽椰子が現れる。
それがまた観客の恐怖を更に増加させていくのだろう。

鳴海がトラウマとなるのは、伊東美咲のシーン。
普段から皆さんはなんとなく怖いなーと思ったら、テレビを付けてやり過ごそうとすることがあるかもしれない。
呪怨は生易しくない。
そのテレビ画面に映るニュースキャスターの顔をおぞましく歪めながら、あの独特な声でにじり寄ってくるのだ。

怖いと言えばもう一つ。
布団に被るというのも、怖さを紛らわせる一つの手であろう。

それも一緒に打破してくるのだから、伽椰子というのは人々の心理をよく掴んでいる。

その彼女が、後年ホラークイーンと対峙することになるとは、誰も予想しなかったのである。

それはまた別のお話であるが……。



「あの家でまた人が死にました」

#鳴海の一人でキネマ
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