映画レビュー/概要

136本目 JAWS in JAPAN
2009年
監督:ジョン・ヒジリ
主演:滝沢乃南
評価:本当に申し訳ない

南の島に訪れた女性達が、怪しげなロッジで過ごす数日間を描くホラー作品。



目次
・鳴海は激怒した
・サメが出てこないサメ映画
・サメ映画?いいえ、グラビアアイドルのPVです


鳴海は激怒した

私怨とレビューを混同してはいけない。
偉い人は言いました。言っていないかもしれませんが。

でも、声を大にして言わせてください。この作品は観なくていいですと断言します。
パッケージ詐欺というのは、B級映画でよくあるものですし、そこを責めるのは似せられてしまった本編をこよなく愛するファンの方でしょう。
本編を汚されている!これは許すまじ!
てな具合に。

気持ちはわかります。ただ、鳴海はそれを逆に楽しむタイプなので、別に怒る程ではないかな?という考えなのを前提に置かせてください。

映画って様々な表現ができますよね。
映像、音楽、演技。様々な要素が絡み合って1つの作品となりえるので、それを楽しみたいと鳴海は心底思っています。
面白ければ面白い程人に観てほしいと言いたくなりますし、興味を持って欲しいとも思います。

が、今作に至っては真逆を行きます。

サメ映画というくくりは色んな意味で突き抜ける作品が多くあります。空を飛ぶだけじゃなくて、宇宙に居たって何も思わなくなりました(B映画毒素吸いすぎ)。
この作品のタイトルって、『ジョーズ・イン・ジャパン』ですよね。
つまり、サメが日本に出てくることは必須条件の1つとなるわけです。
それが例え含みを持たせたものや、誰かに何かを伝えたいための関節表現であってもいいでしょう。

1つのハードルとして挙げられるのは、『ジョーズ』という単語を使ってしまっていること。
スピルバーグの『ジョーズ』は言うに及ばず、サメ映画界の金字塔ですよね。
だから、その金字塔の一部(っていうか丸々)タイトルに入る、というのはそれなりの人が目を向けるようになります。
それを狙ってタイトルをつける。B級映画でよくあることなので、寛大な鳴海(誇張表現)は「しょうがねぇなぁ」と今作のDVDを取り出してフリスビーのように投げるだけです(※ジョークです。実際には絶対にしません。あくまで心境的な描写です。いや、この作品が手元にあったら保証はできないけれど)。

タイトル詐欺なんていうのも、B級映画でよくあるものですから、それをいちいち指摘してちゃあ何も話は始まりません。
ちょっとイメージと違うものだけど、ストーリーが面白かったら許される範囲だったり、何か特徴があれば目を瞑る範疇になるでしょう。
これもまた、B級映画ではよくあること。が、

ジョーズ・イン・ジャパンは、パッケージもタイトルもほぼ詐欺です。

ゴジラ映画にゴジラが出なかったり、仮面ライダーという題名なのに一般人しか出てこず戦闘シーンも仮面ライダー本人も現れない作品があったら絶対に怒るでしょう。

それを平然とやってのけた『ジョーズ・イン・ジャパン』。ですが、制作陣の一部の人は言うだろう。

「いやいや心外だな。ちゃんとサメ出て来るでしょう」

確かにそうです。出てはいます。それは疑いようのないことです。
ですけど、約20秒にも満たないサメの映像だけでサメ映画と言い張るなら空を飛ぼうがマグマを泳ごうが、人がサメの格好をして襲っていてもサメ映画って言ってもいいんですかね!?!?(※空飛ぶのもマグマ泳ぐのもあります。サメの格好しているだけってのは……あるんでしょうかね?)

サメが出てこないサメ映画

サメが出てこないサメ映画。
前述の通り、一応出ます。
ですが、ラストに、意味もなく、プレステのゲームよりも品質の悪いCGで出てこられたら「は?」って言いたくもなりません?

少なくとも、鳴海はなりました。
サイコな演出がわけわからんけれど、最後に「あぁ、こういうことだったんだ!」で納得できれば逆に良作になりえたわけですが、それをまんまと放棄してくれちゃっているのでいっそ清々しい。

ストーリーの本筋が云々というより、関係各所がこれでよしとしたことに対する疑問と怒りしか湧きません。

序盤のほんの少しだけ、サメ映画っぽさを醸し出しておりましがそれでほぼ終わりです。
確かに、ビキニ姿の女性と海はサメ映画の鉄板ではありますけどね。

サメ映画?いいえ、グラビアアイドルのPVです

鳴海は映画が好きなのでこんなブログをつらつらと続けているわけですが、その映画好きがサメ映画を観ようと思ったら、棒読み演技のグラビアアイドルのPVを見せられているので怒り心頭なのはお察しのところです。なんか、今回ずっと怒ってますよね。ご覧になった皆さんならお分かりいただけるとは思いますが。

お色気ホラーなら海外でよくあるし、血と美人は釣り合いを取るのに必要だとまで言われることですけど、この映画の血=サメに襲われるシーンがほぼ皆無で、美人に比重が99%割かれており本末転倒。
「美人だったらええやん!」って言う人も居るかもしれないことは百も承知ではありますが、大してうまくもない演技を2時間近く無理やり見せ続けられたらただの拷問に等しいってもんですぜ旦那。
部屋の掃除を2時間した方がよっぽど人生において有意義です。なんなら、リサイクル用のゴミ集めとかした方が人類にとって有益です。

”本当に申し訳ない”の評価を付けられた映画は、2021年4月現在におけるまで、4本しか存在しない(※2021年4月、無駄にこの記事少し更新したため、この記事公開時2本→4本に増えています。増えたの全部サメ系っていうカルマ)。

まっこと、実に恐ろしい話ぜよ。

単に演技がひどくでもストーリーに筋が通っていればここまで酷評されることもないんですが、それ以外も全て評価できない点ばかりだと、こうも言いたくなるんす。
思わずこの文章をタイピングしていて「人生とは」ってなるくらい。



そんな作品であることを知っていただいた上で、もしこの記事をご覧になられた方は観なくていいです。




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