映画レビュー/概要

117本目 コマンドー/Commando
1985年
監督:マーク・L・レスター
主演:アーノルド・シュワルツェネッガー
評価:★★★(吹き替え:★★★★★)
※2019年10月30日更新

あらすじ
コマンドーの指揮官であったメイトリックスは、引退して娘と2人で生活をしていた。
だが、正体不明の集団が現れ、娘が誘拐されてしまう。

娘を救うため、再び”コマンドー”となり単身立ち上がる!!






映画として普通に観ると

娘を誘拐されてしまった元コマンドーが、悪に単身で立ち向かっていくストーリー。
スタイリッシュなアクションというよりも、筋肉で全てを解決していくため、ある意味安定感がある。
この安定感は絶対に死なないであろう主人公を見ているからでこそ味わえるものであり、ゾンビ映画でよくある、そこらへんの一般人にスポットが当たった際とはまったく別のものである。

逆に言うと、珍しいストーリーではなく、銃と肉体で悪を滅するテンプレストーリーなので、これ以上も以下の評価も無いのである。(※吹き替えの話は後で)

アーノルド・シュワルツェネッガーが正義のヒーローを演じるようになっていくために必要であった作品であり、この時代があったからこそ『ターミネーター2』に繋がったんだと思うと感慨深いものがある。

こうして、80年台後半は筋肉で悪が退治されていく時代になっていくのである。

実は続編として……。

『ダイハード』という映画を御存知でしょうか。
ブルース・ウィリスが主演で、スネイプ先生役のアラン・リックマンが悪役のあれです。

コマンドーは続編を作る予定だったんですが、主演のアーノルド・シュワルツェネッガーが出演を断ったことを発端に、脚本もあれこれ変えた後で出来上がったのがダイハードらしいです。

名だたるアクション俳優が断って最後に出来上がったのが歴史的傑作映画になったというのも、やはり誰が演じてもいいものではないってことですね。

ある意味、この作品の続編が作られなかったことは功績?なのかもしれません。

一作だけであるにも関わらず、怪作となった今作は、伝説として後世に語り継がれることでしょう……。(大げさ)

吹き替えになった瞬間神映画

映画の面白さはふつーなのだが、この映画だけ特別性がある。
吹き替えにすると、やたら作品が面白くなるというお楽しみ付き。

筋肉で解決していく物語と非常にマッチしているだけではなく、言葉の言い回しなどがいちいち面白い。
どれを取ってもつい口にしてしまうような名言ばかりで、久しぶりに見たって笑える。
友人と、家族と、恋人と見たって絶対に笑うのは保証できます。

日本人から見れば、映画本編の面白さを際立たせるこの吹き替えでこそ一番価値がある特殊な例にはなるかと思いますが、そういう楽しみも映画の一つですので。

まさか、こんなにもネットでネタにされる作品になるなんて、公開時は思ってもみなかったでしょうね。

そもそもネット普及していないから考えられるわけがないんですが。



「来いよベネット。銃なんか捨ててかかってこい。  --メイトリックス」

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