211本目 聲の形
映画レビュー/概要
211本目 聲の形2016年
監督:山田尚子
キャスト:入野自由
評価:★★★
高校3年生の石田将也は、アルバイトを辞めて口座のお金を全て引き出し、眠る母親の枕元に置いた。
自殺をしようと思い立った彼には、とある思いがあった。
その思いは、小学校の過去と繋がっている。
2時間で収まりきらないボリューム
原作が漫画としてあるだけに、映画の中に全てを織り込むには時間が足りなかったような気がする。※鳴海は原作未読。とはいえ、最初から最後まで綺麗に〆れているため、歯がゆい気持ちをすることはない。
最後の最後は爽快になる。
が、
爽快になる前の気持ちの煩雑さは、
その爽快さを十二分に味わうには、
足りなかった……。
様々な感情渦巻く
いじめる側、いじめられる側。皆さんの小学校でもそんな構図があっただろう。
この作中ではリアルにその構図が描かれているだけではなく、高校になってからも物語は続く。
観ていると「はぁ!?なんだコイツ!!」と憤りを覚えることもある。
だがその状況に”自分だったらどうしていたか?”を考えてみると、途端に自分が恥ずかしくなるのだ。
画面外では「いじめダメ絶対!」なんて思っていても、その状況下に置かれてみると、見て見ぬふりをしてしまうこともあったでしょう。庇えば自分が標的になってしまう。
そう考えると、画面内で繰り広げられている描写と登場人物に対して何も言えなくなる。
今でこそ言えるようになっているかもしれないが、小学校の時からその度胸があったかと言われれば、鳴海はノーである。
そんなこんなので、物語を追う毎に怒りも悲しみも楽しさも感じられる。
観た後は感情がフル回転しすぎてどっと疲れが押し寄せてきたが、観ない方が良かったとは思わない。
人に勧めるにしても重たい議題が挟まるため、軽い気持ちで勧めるアクション映画のようには観てと言えない。
だが、観たことが無い人に観てほしいという気持ちは、今でも心のどこかで渦巻いている。
「とも、だち。 --西宮硝子」
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