映画レビュー/概要

278本目 エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃/A Nightmare on Elm Street 4: The Dream Master
1988年
監督:レニー・ハーリン
主演:ロバート・イングランド
評価:★★★

フレディを倒してから2年後。

クリスティンは、再び悪夢にうなされるようになってしまう。
前回フレディと対峙した仲間たちは次々と殺されてしまい、クリスティンもフレディの標的となる。

恋人リックの妹であるアリスを夢の中に呼ぶと、フレディはアリスにも目をつける。
だが彼女は、夢を操る”ドリームマスター”だったのだ。



長ければ長い程インフレしていく法則

どんなシリーズでも、戦いが付き物だと敵も味方も双方強くなっていきますよね。
どうやらそれはスプラッターホラーにおいても変わらないようで、新たなキャラクター”アリス”が登場します。

題名にある”ドリームマスター”というのはフレディのことでも、ビールのことでもありません。(※マスターズドリームだったそれ)

主人公であるアリスは夢を操ることができるという、フレディにとっての天敵だったのです。
はてさて、その結末やいかに。

完全にコメディ路線に走り始めた時期

前作で調光が見られた”コメディ路線。
今作からその流れが顕著になり、相手をどう面白く殺してやろうか、と考えるのがメインになってきます。
なんだか、『ファイナル・デスティネーション』シリーズみたいですよね。
実はあの死神ってフレディだったのでは……。

ビーチでサングラスを掛けるフレディとか、完全に笑わせにきてますよね。
シリアスに殺していた一作目の『エルム街の悪夢』はどこへやら。
作品が長いと、同じ殺し方をしてしまっては面白みが無くなってしまうので、こういった創意工夫が必要になってくる、ということです。

フレディも結構頭を使っているんですね、きっと。



強さには強さを

夢に入って殺人を行うというフレディさんに宿敵登場。
今作の主人公アリスは、夢を操ることができる”ドリームマスター”。

現実では内気な彼女も、夢の中ではフレディにすら対峙することのできる強キャラ。

ネタバレ回避のために言いませんが、このシリーズはとにかく関わったこと人達がろくな目に遭いません
そりゃスプラッターホラー映画だから当然のことではありますけど、それにしたってもうちょい救いがあっても。

夢の中でも現実でもろくな目に遭わないってのは本当に可哀想。
主人公であるアリスも悲劇を散々目の当たりにしますけど、最後にはその超絶パワーを使ってフレディを撃退していくわけです。
それがまた強すぎるんじゃないかってくらいで。

そんなに強いならもっと早く(ry
それを言ってしまってはオシマイですけどね。
内気な女性だったからこそ大切なもののために力を発揮するために時間が掛かったわけですから、上映時間が94分は妥当でしょう、うん。

監督が折角レニー・ハーリンなんだから、もっとドンパチやってくれてもよかったような気もしますね。
むしろそれくらい路線変更してくれた方が、シリーズ中屈指の作品になっていた可能性も。

いや、そんなことは無いか……。
エクソシスト2』も路線変更して散々な言われようだったし、シリーズの伝統は重んじて作るべきだってことですよね。

その功を奏したのか、シリーズ中でも興行収入非常に高いんですよね、今作は。
でも皆さん御存知のように、興行収入が高い=必ず面白い、というわけではないので注意です。

鳴海としての結論は、可もなく不可もなく、です。





「7,8,しっかり目を覚まして……。  --フレディの数え歌」

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