映画レビュー/概要

282本目 ジングル・オール・ザ・ウェイ/Jingle All the Way
1996年
監督:ブライアン・レヴァント
主演:アーノルド・シュワルツェネッガー
評価:★★★★

クリスマス・イヴで賑わう街。
息子のクリスマスプレゼントをすっかり買い忘れていた父親のハワードは、息子のジェイミーが欲しいという”ターボマン”の人形を買いに街へと向かった。

しかし、大人気商品のターボマン人形はどこへ行っても売り切れ。
挙句の果てには店員にも笑われる始末。

段々とストレスが貯まる中、偶然出会った郵便配達員もターボマンの人形を探していたのだが、徐々に争奪戦がエスカレートしていき……。



クリスマス映画の定番作品

アーノルド・シュワルツェネッガーと言えば、”未来から来た殺人マシーン”だったり、”宇宙から来た宇宙人とタイマンで勝負して勝つ傭兵”だったりと、血生臭いイメージと筋肉によって象られているかもしれませんが、このようなコメディ作品にも登場している経歴があります。

クリスマス映画と言えば、『ホーム・アローン』が真っ先に浮かぶでしょうけれども、今作もクリスマス時期でひたすら流される映画の一つです。

血生臭いシーンも無ければ筋肉もなし。あ、いや、控えめです。

筋肉はありまぁす!!

子どものために奮闘する父

一年に一度、子どもにとって正義となれる日。
それがクリスマス。

そんな日に贈り物を忘れてしまうなんて、一生口も聞いてもらえないかもしれない。
という恐怖に駆られながら人形を探し続ける父。
昔は、コメディシーンを観て笑っていましたけど、社会人になってからこの映画を観ると切なさも込み上げてきますよね。

当然ながら悪いのは父親なんですけど、父の努力っていうのは子どもにはわからないものですから。
仕事に追われ、家族にも追われ、それが父の役目。

あぁ、なんと悲しきことか。

という、ビール片手に涙しながら観る映画ではないんですが、そういう共感を得られるというのもいい映画である証拠。

珍しく父親として活躍しているシュワちゃんが、地獄と化した玩具屋で奮闘する様はついつい笑ってしまいます。

クリスマス映画ですけど、笑いたくなったら観てもいい映画ですね。



父親は”ヒーロー”になれるのか

誰しも一度は憧れるヒーロー。
子供の頃は漫画やアニメのヒーローに憧れて真似をしたもんです。

当然ながら親父になってからヒーローの真似を常日頃からするわけにはいかない。
ですが、本当の意味で真似することができるのは、父が子に何かしてあげられた時だと思うんです。

それは例え、どんなに小さなことでもいいと思うんです。
寝ている間に毛布をふっとばして寝ていたらそれを掛けてあげるとか、ちょっとした問答をしっかり返してあげるとか。

ヒーローは世界を救うために頑張りますが、父は子を救うだけで立派なヒーローになれる。
それを教えてくれたのは今作です。

パーティ気分を楽しみつつも、父親の在り方を教えてくれる教材的な側面もありますので、是非一度ご鑑賞を。

別にNHK的な教育テレビを想像しなくていいですからね。




「ターボタイム!  --ターボマン」

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