映画レビュー/概要

285本目 デビル/Devil
2010年
監督:ジョン・エリック・ドゥードル
主演:クリス・メッシーナ
評価:★★★

※ネタバレ有り

5人の男女が、会社のエレベーターに閉じ込められてしまう。
偶然かと思われたその事故であったが、5人のうち4人にはある共通点があった。

5人を救出しようと外部の人間も動くが、停電する度に不可解な事件が起き……。




シャマランは脚本と製作

シャマランと言えば『シックスセンス』や『サイン』などで有名ですが、今作では脚本と製作を担当。

彼らしいトリッキーな仕上がりに、鳴海もニッコリ。
外界と絶たれた場所で起こる事件というのは、どうしてもこうも面白く感じるんでしょう。
やはり第三者に助けを求めても、その人達がすぐ救われるという保証は無いからなんでしょうか。

鳴海としては、その状況だからこそ気付く”何か”を知ることが楽しいと感じます。

例えば、離れていた友人や家族ともっと時間を共有した方が良かったとか、やり残したことがあるとか、”ある秘密”を隠さずに話すべきだったとか。

今作では5人の知られざる秘密が明らかになるわけですが、単純なソリッドシチュエーション系に一捻り加えた内容となっています。

一人、また一人と襲われていく恐怖

先述の通り、第三者に助けを求められない状況というのは、どんなジャンルの映画でも怖いもの。コメディを除きますけど。

題名が既に”デビル”だから、日本人としては何が悪なのかネタバレされた状態で観るしかないのが残念な所です。
幽霊なのか、悪魔なのか、それ以外の何かなのかを憶測していくのもまた面白いところなのに、そういう楽しみを潰してくるあたり、邦画命題戦争(※鳴海が勝手に呼称している、正しい邦題が作品に付けられなかった時に起きる議論のこと)を起こさざるを得ません。

って思ったんですけど、原題もDevilだから逃れられない状況でしたね。

Heyシャマラン!



ネタバレも何も、題名で何が出てくるか書いてあったので

別に観る気はあるけど、ネタバレされてもいいやって思っている人は読んで大丈夫です。

それ以外の人は回れ右して、別の記事でも読みに行っていただければ幸い。

さて、今作の悪役は”デビル”なわけですけど、他の作品とは一線を画するものでしたね。
エクソシスト』とかに出てくるような極悪タイプというよりも、鳴海としてはなんだか天使と悪魔の中間みたいなイメージでした。もしくは、死神?

自分の罪を告白すると、「じゃあお前助けてやんよ」っていうタイプの悪魔は珍しかったので、そういう設定的な部分は非常に新鮮でした。

とはいえ、『シックスセンス』のような「うわーマジかよ!!」っていうレベルの驚きは無かったので★3つです。

一回観てほしいけど、一回観たら満足っていうタイプの作品ですね。
面白いことは面白いと思ったので、人に薦めてもいいかなとは思います。

ただ、最初~途中の下りである人間模様が回りくどいというか、ちょっとカットして欲しいな~鬱陶しいな~なんて思う部分もあったことが、最後の感動を薄めてしまったのかもしれません。

ラスト一点に集中するタイプの作品は、そのラストのために余計なものを全て削ぎ落としていかなければいけないので難しいところです。

創作家としては大いに勉強させていただきました。





「お前を赦してやる。  --???」

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