映画レビュー/概要

280本目 エルム街の悪夢6 ザ・ファイナルナイトメア/Freddy's Dead: The Final Nightmare
1991年
監督:レイチェル・タラレイ
主演:ロバート・イングランド
評価:★★★

エルム街の近くにある更生施設。
そこで、一人の少年と出会ったマギーは、自身が見た悪夢と類似していることに気づく。

その夢に出てくるのは、焼けただれた男。

フレディ・クルーガーがいかにして殺人鬼となったか。
彼の家族の秘密も明らかになる、シリーズ完結編。



ついにフレディとサヨナラ

何度も何度もしつこく復活してきたフレディですが、一応のシリーズ完結編となります。
今まで出生の秘密や母親について語られてきましたが、今度は嫁と娘のお話まで。

何度もクレイジー&ユーモアに富んだ殺人の芸術を見せてくれたフレディさんですが、今作ではついに家族と対峙することになります。

これ以上引き伸ばしてもあまり面白くならないと思ったのか、配給サイドも終了した方がよくね?と考えたのは納得。
ここまで設定を深掘りしてしまっては、これ以上やれることは無いですからね。

それに考えてみてくださいよ。
タイトルが『エルム街の悪夢』なのに、それ以外の場所で悪夢が見られるようになったら面白みが半減しますからね。
ゴッサムシティにバットマンが居るのがいいように、フレディもずっとエルム街で殺人事件起こしてくれればいいんですよ。

境界線を越えて

フレディがエルム街を出て殺人を行うというのは非常に希少なことなんですが、今回はそのボーターを自ら壊します。

「他の街でもエルム街になればいいじゃん??」

ということで、シリーズ1のルールブレイカーになります。

その曖昧さが嫌いだという人も居るかと思いますが、鳴海としては最期だしもうなんでもいいかな~くらいの心持ちで観ていました。

それより何より、どの作品よりもコミカルに殺人を行うフレディが楽しそうでしたね。
観ているこちらまでほっこりするような。

あれ、これってホームコメディ作品でしたっけ。



『フレディの死』と言うだけあってフルボッコ

コミカルな殺人を行ってくれたという功績の裏には悲劇あり。

一作目の『エルム街の悪夢』でナンシーから返り討ちに遭った時も可哀想だと思いましたけど、フレディがある意味一番悲惨な仕打ちを受けるのってファイナルナイトメアだと思うんですよね。

ホラー(物理)な側面は元々ありますけど、それを他の登場人物に散々やられるとは……。
そりゃ引退もしたくなりますわ……。

幼少の頃からひどい仕打ちを受けてきたことがあっての、フレディの誕生。
彼が生まれたのは悲劇でしかなかったもしれません。
そんな彼がエルム街でしてきた功績は、映画ホラー界にとっては栄誉なことでした。
次回作ともう一作で彼についてお話するのが最期になりますが、皆さんにとってはどれが一番の悪夢だったでしょうか。

2019年現在、再びリブートする可能性が示唆されているので、彼がまたエルム街の中で活躍することを期待して、いい”夢”を観るとしましょう。





「全ての街は、エルム街となるのだ!  --フレディ・クルーガー」

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