250本目 ゴジラVSデストロイア/幼稚園児も感動させたゴジラの死をレビュー
映画レビュー/概要
250本目 ゴジラVSデストロイア1995年
監督:大河原孝夫
出演:辰巳琢郎
評価:★★★★★
スペースゴジラの襲来から1年。
ゴジラとリトルゴジラが住んでいたバース島が消滅した。
島の消滅により影響を受けたゴジラはいつ核爆発を起こしてもおかしくない状態となる。
そんな中、1954年のゴジラを葬り去った化学兵器”オキシジェン・デストロイヤー”によって蘇った悪魔が、東京湾に現れる……。
平成ゴジラVSシリーズの完結編
1954年より続いたゴジラシリーズも、今作をもって一旦の終了となる。というのも、海外でゴジラ映画制作が進んでいたという事情もあり(※そのゴジラの話は、別の機会でいいだけお話するとしましょう)、平成シリーズを終了させる必要があった。
契約上の問題で日本産のゴジラとアメリカ産のゴジラが同時上映されにくいというのは2018年現在と似た状況なのかもしれない。
ともあれ、この作品でゴジラが死ぬということは世界中を駆け巡り、追悼の様子が新聞やテレビで報じられるほどであった。
そんなゴジラの様子を、鳴海(※当時幼稚園児)は劇場で号泣することになる。
全ての始まりと繋がる物語
1954年、『ゴジラ』が誕生した。以後、世界はゴジラの恐怖に怯えていたわけだが、ついに終止符が打たれる時が来た。
その当時発明された兵器、”オキシジェン・デストロイヤー”によって復活した生物が巨大進化。
途中で『エイリアン2』みたいな感じの流れになって「あれ、観ている映画違ったっけ?」と思うかもしれないが、それも最後の悪魔を拝むための前座と思えば。
昔ゴジラを葬った兵器によって巨大進化した生物と、世界を滅亡させようとしているゴジラが最後の対決を演じる。
なんといっても印象的なのは、メルトダウン寸前のゴジラの風貌。
マグマのような配色が身体の至るところに施されており、熱戦も今まで以上に強力。暴れまわるゴジラに手を出せば核爆発するかもしれないという、人類は手も足も出せない状態に。
それの対策として、再び”オキシジェン・デストロイヤー”を製作できないか、という話も入ってくる。
科学の発展によって生まれてしまったゴジラを滅ぼすために、更に進んだ科学が必要になるけど、それをやるとまた人類が殺し合いを……。
という、1954年に芹沢博士が葛藤したように、我々もこの途方もない問題に対して、現実でも”核”で同じ話を延々と繰り返している。
そんな中、平成という時代が終わりを迎えようとしている。
世の流れと密接であったゴジラが、その生命を持って我々に対して突きつけてくる議題はとても大きいですね。
覇王はいつまでも
前作、『ゴジラVSスペースゴジラ』にて登場していたリトルゴジラだが、今作では更に成長してゴジラジュニアとなった。デストロイアによって命を落としてしまうのだが、最後には……。
ここは是非最後まで映画を観て欲しいのだが、やはり最後のメルトダウンシーンは涙無しでは観られない。
熱に耐性のあるデストロイアをも逃亡させる程の火力。
命を燃やして最後の敵を倒すゴジラ。
これで、ゴジラ映画は最後になるんだろうか……。
と、当時の鳴海少年はがっかりしていた。
だが、それもいい意味で裏切られる。
世紀末覇王は、永遠に不滅です。
「これが、ゴジラ最後の戦いになるかもしれない。 --三枝未希」
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