映画レビュー/概要

261本目 この世界の片隅に/In This Corner of the World
2016年
監督:片渕須直
主演:のん
評価:★★★★

1944年12月。
呉に住む北條家に嫁いだ”すず”は、戦時下で食べるものすらろくに調達できない生活であっても持ち前の明るさで毎日を生きていく。

その生き様が語られる、儚くも美しい物語。




漫画原作、映画化を推された作品

クラウドファンディングで映画化してほしいと皆が口を揃えて言うくらい熱望されていた作品だそうです。
予告編は劇場でよく観ていたということと、この年は2016年。
つまり、『黄金の2016年』ですから劇場アニメ作品を見て外れることはないだろうと思っていました。

そんなこんなで劇場へ観に行ってみたら、心にダイレクトで訴えかけてくる作品でございました。

時は太平洋戦争末期

戦争時代の話というと、学生時代に教科書や公演で聞いた”話上のもの”でしかないのが、戦争未経験の世代共通のことではあると思います。
なので、こういった作品に触れると当時の状況が非常にわかりやすく、今の時代で良かったと思える部分と、もしこうなったら自分の生活はどんどん崩れていくんだと体感できる教科書となります。

ですが、今まで観てきた戦争映画やドキュメンタリー番組と違うのが今作。

すずさんの性格もあるんでしょうけれど、戦争当時の生活のイメージが少し変わりました。
食べ物が本当に少なかった、というのは確からしいですが、かといって毎日暗く過ごしていたわけではなさそうです。
勿論、ご家族を亡くされた家庭や戦場となった場所では同じことは言えないですが、子ども達も笑いながら過ごす景色だって、この当時にもあったのだというのを見せてくれました。

いつも悲しい一面ばかりですが、そんな中でも生きていることに感謝しつつ、幸福を求めて人生を歩むすずさんには、思わず胸を打たれます。



正直、この記事すら野暮

鑑賞後、じぃぃ~~~~~ん、としながら帰宅したのを今でも覚えています。
言葉すら無粋、ということなんでしょうか。

正直、日本のみならず、誰にでも鑑賞していただきたい一作なのです。

だから、この記事を読む前に映画を鑑賞していただきたいですね。

って、最後に書くという外道





「この世界の片隅に、私を見つけてくれてありがとう。  --すず」

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