映画レビュー/概要

347本目 ターミネーター ジェニシス/Terminator Genisys
2015年
監督:アラン・テイラー
主演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイソン・クラーク、エミリア・クラーク
評価:★★★


あらすじ
2029年。
ついに人類は機械軍に対し勝利を収める。

だが、スカイネットが開発したタイムマシンによって、過去へターミネーターが送られた。それを阻止すべく、カイルは自主的に過去へ遡ることを進言。
タイムマシンにより1984年へと移動した。

1984年、サラ・コナーを守るために訪れたが、何故かそこにはT-1000が待ち構えていた。
自らの知らぬ運命、新たな”過去”にカイルが戸惑っていると、サラが現れ……。


1作目のファン歓喜なシーン盛りだくさん…だけど

ターミネーター』とほぼ直結している、シリーズをリブートするために作られた5作目。大人の諸事情で権利があちらこちらと移っているため、3も4もなかったことにして新しいシリーズを立ち上げようとしていた。

しかし、それもまた叶わぬことに……。

今作については、『ターミネーター4』と同様に賛否の嵐でした。
予告編では、1作目のターミネーターと年老いたターミネーター(同じモデルのT-800)が戦闘するという、ファン歓喜な展開を見せてくれましたが、それだけでは作品の評価とはならず……。

一体どこらへんでまた論争が巻き起こったのか、順を追って記述していきます。

1作目と直結している、けれども

ストーリーとしては、1984年にカイルがサラを助けようとする、といういつもの流れかと思いきや、過去がまるっと変わってしまっている!という、カイルが「俺助けに来たのに……」と、基本置いてけぼりにされているターミネーター。

序盤からいきなり1作目のT-800が倒されたり、1984年なのにT-1000が既に居たりと、めちゃめちゃテンション上がる展開が進んでいくというのに、その歯止めをかけてしまったのは皮肉なことに新しいターミネーターという。

何が残念かって、既に予告でネタバレをしてしまっているんですよね……。それが無かったらかなり熱かったかもしれませんが、知っているから楽しみも何もあったもんじゃありません。
未来のジョンが新型ターミネーターとしてスカイネットが起動するのを見守るために動く、というわけでそれを今度は阻止しなければならなくなったカイル一行。

果たして、彼らは止めることができるのか……?

一応止まります。が、伏線を回収しないまま終了。
三部作として制作されたからそこはいいんですけど、本命であったT-3000とジェニシスが肩透かしな感じになってしまっているので、尚更がっかりなんですよね。

勿論序盤は楽しいので、まったくダメというわけではないんですが。

結局ややこしくするのはタイムトラベル

見知らぬ過去(未来?)が情報として焼き付く、という設定は大歓迎です。
カイルが自分も知らぬ記憶があるということは、別の世界(マルチバース)があるということになり、この世界は本来とは道の逸れた時間軸である、なんていう話をT-3000がそれっぽく話した気がしますけど、まさにそれ。

鳴海としては別にいいんですが、そこらへんがややこしくて「はい?」となる人は多かった様子。

ジェニシス=スカイネットを止めるために頑張るという展開は3でもやったことなので、それが面白いかというと今更感が溢れているなーという印象だけで、結局は1と2でいいじゃんっていうオチで終了してしまうんですよね。

やっぱり、続編は無理に作る必要は無かったのではないかと……。

スピンオフ的に、ちょっとした楽しみとして観る分には面白いので、2と直結するという『ターミネーター ニュー・フェイト』を鑑賞しに行く前に、今作を観ておいてもいいかとは思います。





「死にたくなければ着いてきて!  --サラ・コナー」

#鳴海の一人でキネマ
#ターミネーター
#映画レビュー