86本目 キューブ2/Cube 2:Hypercube

2002年
監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
主演:ジェラント・ウィン・デイヴィス
評価:★

見知らぬ場所で目覚めた者たち。
そこは立方体の部屋で、脱出することができない。

別の部屋に行くが、そこにはトラップがあり……。

っと、ここまでほぼ前作と一緒。だが、そのトラップは突然近未来的になっており……。

違う!求めているのはそれじゃない!!




ヒット作品の続きを作る難しさ

前作の『CUBE』が人々の脳裏に深く刻まれていることかとは思うが、それに対してこの続編はスーパーで安売りされているハム1枚くらいの記憶しか残らない。

思い出されるのは
・白い
・CGの乱用

これくらいである。登場人物に至ってはどんな人が居たのか毎回観ないと思い出せないレベル。
こうなるくらいなら、続編なんて無い方が良かったのでは?と思うのは、何もこの作品に限ったことではない。

それくらい、売れた映画の続編というのは作ることが難しいのである。

時代の流れに沿ったCUBE

前作のCUBEはどこへやら。
突然トラップが近未来SFと化し、透明な支柱的なものに頭をぐしゃりとされたり、隣の部屋に行くと思ったら実は元の部屋です、みたいな仕掛けが沢山ある。

無限に部屋があるというのもまた面白みが無い。
有限で、ルールを理解するからこそ、そこに脱出の糸口を見つけてどうなっていくんだろう?と思える楽しさがあるのに、こんなに乱雑でよくわからんふわふわとした部屋がいくつもあると、現実離れしすぎてキャラクターたちの行く末があまり気にならない。

制作された当時としては確かに新鮮なトラップだったかとは思うが、現代における”ソリッドシチュエーション”において、『SAW』のようなお手製トラップでハラハラ・ドキドキできる。
そう考えると、無理にSFトラップを盛り込むことは、必ずしもプラス効果にはならないということである。

世界観に合うものを登場させる、というのはとても重要であることを勉強させられる一作である。




「ここは一体何なんだ!?」

#鳴海の一人でキネマ
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