全国大会の前に、とある転機が訪れた。
それは、ネット対戦という環境があったからこそであり、ゼクスから鳴海へ変化する途上のことであった。
(別に名前が変わるだけでプレイヤーのレベルがそんなに向上したわけではない)

ゼクスから鳴海への橋かけ

全国大会後、『ブレイブルー クロノファンタズマ』の家庭用が発売。 ネット対戦を行う中で、有名プレイヤーと対戦する機会もどんどん増えていった。
ネット対戦だけではなく、ニコ生を利用して配信を行うことで大会やその他イベントを行い、更に交流が生まれていく。
その中で、たまたまガリレオさんの配信にお邪魔したときのお話。

まだガリレオさんと対戦したことがなかったため、勇んでプレマ部屋に突入。
放送中ということもあり、こがたんさんも同じ部屋に居り、同じく対戦をしていただいた。
ニコ生は皆さんがご存知の通り、視聴者はリアルタイムでコメントをすることができる。 誰かはまったくわからないが、ゼクスラグナが対戦中に、こんな感じのコメントを残した。 「今度小説を出版する鳴海先生じゃないすか!」 まさかのコメント。
プレマ中だったし、今みたいにおおっぴらな発表をしていなかったこともあって、それには触れないようにしようとした。
だが、ガリレオさんとこがたんさんはその話題に食いつき、ゼクスへあれこれと質問。 出版することになったお話や、発売が12月15日であることを伝えると、後日パワポでわざわざプレゼンまでしてくれるという異例な自体に。
この頃から、小説の宣伝も兼ねて、プレイヤー名を『鳴海悠一』にすることが増えていった。
(※鳴海先生、と徐々に呼ばれ始めたのもこの時期から。早いもんでもう5年呼ばれてますわ)
この名前が生まれたお陰で、更にたくさんのプレイヤーに出会えるようになった。 元々は小説のペンネームだが、この様な体験ができたことを考えると、実に面白いものである。

クロノファンタズマ家庭用地域対抗戦

ニコ生主としていろんな大会に参加したり、自分で大会を行ううちに、全国レベルで知り合いがどんどん増えていった。
家庭用が発売したことで北海道勢にも提案された、地域対抗戦。
10名のプレイヤーを選抜し、4つの地域で強いのはどこか? というのを競うものであった。
参加した地域は北海道、愛知、静岡、熊本。
それぞれの地域で代表を決める方法は自由であったため、北海道勢は大会を数回行い、上位10名を決めるというものであった。 最終的に参加することになったメンバーは下記(補欠込み)。

・ゼクスラグナ
・のぜハザマ
・イカメンアズラエル
・げんぶプラチナ
・おとおとノエル
・みょんたニュー
・ジークバング
・卜全ヴァルケンハイン
・ジョニーアズラエル
・たぴゅkアズラエル
・キョージュカルル

今考えるとこのメンツはヤバイ。よくここまで集まったもんだ…。
CSEXまでの北海道勢は、明らかに本州のプレイヤー達と実力差があった。
だが、CPになり、のぜ&てぃーあいが優勝する頃には全体レベルが上がり魔境と化した。 それを裏付けるが如きこのイベント。

初戦は愛知。 コイケライチや辻川タオカカなどが跋扈する、これまた魔境。 結果だけ記憶からすっぽり抜けてて思い出せないんすけど、ゼクスラグナはコイケライチ倒してカルルの人倒して辻川タオカカに負けたってことは覚えてるんですが、チームとして勝ったんだったかがあまり覚えてない状態で。。。

続いては静岡。
序盤の方で連勝を進めていたゼクスラグナに立ちはだかったのは、とあるレリウス使いであった。
そのまま勢いで倒せるかと思いきや、あまりにも強力すぎる防御の前に敗北。だが、チームとしては最終的に勝利。

最後に熊本。
げろしゃぶ氏(現ナカシマプロ)率いる10人のメンバー。りょーたさんも居て、この頃はジンを使っていた。
最初の相手はヴァルケンハイン。北海道勢はおとおとノエル。
ヴァルケンに敗北し、とりあえずラグナだしいけるだろうってな具合でゼクスラグナが出場。
そこから勝ちに勝ち、なんとゼクスラグナ一人で熊本勢を倒してしまった。
10縦である。これにはドヤ顔。周りから「そろそろ負けてもええんやで」というセリフが流れていたが、お構い無しで対戦していた。


かくして、地域対抗戦は北海道勢の優勝という結果で終わった。
普段は敵対しているメンバーが味方になると、ここまで心強いと思ったシーンであった。

最凶の悪夢

時は2013年12月。
新たなキャラクターがブレイブルーに参戦。
ココノエ。
このキャラクターを待ち望んでいたプレイヤーは非常に多かった。しかし、そのキャラクターにどれほどの仕打ちを受けるか、などは考えていなかった。

強力無比なキャラクター達との対戦は、CTからシリーズを通して対戦してきたゼクスにとっては、そう驚くことではなかった。
が、このキャラクターはあまりにも強力すぎた。
ハメあり、ダメージあり、無敵あり。
とにかく、強さに強さが重ねられ続けたキャラクターと言っても過言ではない。
「お前のブレイブルーをやってきた数年はココノエの10分に等しい」というワードが出てくるほどであった。
ゼクスもそのワードに当てはまる一人となり、粉砕され続けた。

ここで、”勝ち”ということに吹っ切れた。
あまりにもココノエが氾濫し、かつそれに負けることが多くなった負けず嫌いのゼクスは、いよいよ『強いキャラに乗り換える』を実行しようとしたのだ。
ラグナじゃ勝てない。コイツに勝つのは無理だ……。
そう諦め、ココノエを練習し始めた。

すると、やはりココノエの力は圧倒的であった。
何十戦とランクマを行っても、容易く勝ててしまう。今まで味わったことのない高揚感。軽々しく、ろくに攻めを考えずともハメていれば勝てる。通常技も強いから苦労しないし、逃げの手段もある。
しかし、100戦を超えた瞬間から、自分がダークサイドにどっぷりと浸かっていることに気付いた。

「この勝ちに、意味はあるのか?」

ゼクスは確かに負けず嫌いであった。
幼稚園の頃から、親父に将棋で負けて本気で悔しがっていた坊主は、大人になってもゲームで負けてムキになるくらいには、ずっと負けず嫌いであった。
しかし、ココノエを利用しての勝利は、あまりにも虚しく思えたのだ。
これで勝ったところで、自分にとっての楽しさにはならない。

別に、この話で「強キャラを使うな」などと言う気はまったくない。
要するに、「好きなキャラを動かすのが楽しさに繋がる」という、初心者の誰しもが味わう根本的な要素をすっかりと忘れていたのだ。
自分が一体何が楽しくてブレイブルーをやっているのか?
それは、『ラグナ=ザ=ブラッドエッジ』というキャラクターが好きだから対戦をしてた。
ただ、それだけである。
そして、自分が勝ちたいというのはこのキャラを使っての勝利を求めるだけであって、それ以外のキャラを練習したとしても、すぐに飽きてしまう。これはココノエに限らず、どのキャラでも、どのシリーズでも同じであった。

ココノエは確かに強い。それを使っている人のことを責めることもできない。
ゲームの中の敗北は、常に自分にのしかかる。
どんな惨めな負け方でも、ラグナを動かせるならそれでいい。

改めてキャラクターをラグナに戻し、ゼクスは、黙々と対戦を続けていった。





などというちょっとしたいい話風にまとめつつ、CP編終了。
次回、超絶短いCP1.1編。お見逃し無く。