映画レビュー/概要

222本目 SP 野望篇
2010年
監督:波多野貴文
主演:岡田准一
評価:★★★

2007年にフジテレビ系列にてテレビ放送されたドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』の劇場版。
衝撃的なエンディングの続きとなっており、後に『SP 革命編』が公開される。



話はドラマの直後から

テレビドラマから劇場版へ話が繋がっていくというのは、昨今の映画界においてはあまり珍しくないものとなった。
最終回を映画で、という終わらせ方がいつから主流になったのかということは詳しく調べたことがない。
こうして文章を打ち込んでいて興味が湧いたので調べてみたところ、映画の歴史が深いため明確な回答を得ることはできなかった。
しかし、鳴海の印象としては90年代からこの流れが組まれているように思える。
60年代以降テレビが普及した時代で、誰もが知るような作品が映画化されている可能性もあるが、鳴海がその時代の知識を深く持っていないため、確証は特に無い。
知っている人が居れば教えていただきたいところ。

さてさて、話が少し横道に逸れたところで本題へ戻す。
テレビドラマのエンディングで意味深な台詞を残した上司の言葉が引っかかっていた主人公。
いかにも何か起きそうな台詞だが、そのために取っておいたようなものである。
次から次へと新たに巻き起こる事件。

アクションとサスペンスが入り混じり、ボルテージがどんどん上がっていったところで衝撃的な結末。
こんなストーリーを邦画で目の当たりにしたのは始めてである。
アメリカ等の洋画ではよくあることなのだが。

とにかくテンポよく物語が進行することによって、観ていなかった鳴海でも非常に楽しめた。たまに入る笑いもその緩急を付けるために上手く挿入されており、まさにテーマソングのように心地よく身体に残る。

BGMの良さが命運を分ける

先述の通り、ドラマを観ていない状態での観賞。
だが、テーマソングは到るところで使われていたということもあり、印象は非常に良かった。
高校の演奏学部で使用されそうな曲であり(※実際、色んな学校の演奏学部は当時演奏していたそうな)、大衆向け作品としても完成度が高いことが相まって、鳴海の眼に入ることになった。
本当であればテレビでやっていた作品ということであれば、先にそちらから観賞するのが筋だとは思っているのだが、それをすっ飛ばして観ても楽しいであろうという漠然とした期待があった。
その期待を上乗せさせたのがまさにテーマ曲。

神作品や良作と呼ばれる映画群は、やはりBGMも印象的であったり好きな曲として挙げられることが多い。

そう考えた時、いかに音楽というものが作品にとって重要かが指し示されている。

この作品もまさにそれに当てはまっていたのでヒットしたのだと、観賞した鳴海は静かに頷いた。




「命の大切さを、貴方から教わった。  --井上薫」

#鳴海の一人でキネマ
#SP
#映画レビュー