601本目 カイジ ファイナルゲーム/最後で”オチ”た
映画レビュー/概要
601本目 カイジ ファイナルゲーム2020年
監督:佐藤東弥
主演:藤原竜也
評価:★★
あらすじ
景気が傾いた日本。
そんな中、派遣会社で働くカイジは自堕落な生活を送っていた。
そこへ、因縁のある”班長”の大槻が現れる。
カイジに一攫千金チャンスのゲームがあることを伝え、そのゲームへ参加するように仕向けるが……。
なんでだよおおおおおおお!!!!!
はい、カイジシリーズ最終回です。
第一作の『カイジ 人生逆転ゲーム』では最高に面白い実写版カイジを見せてくれましたが、第二作の『カイジ 人生奪回ゲーム』ではそこそこな実写版カイジを見せてくれました。
今回はラストかつ原作者である福本伸行自らがオリジナル脚本を担当。
否応にも期待が高まっていたんですが、残念なことに”オチ”ていってしまいました……。
オリジナルキャラへのヘイト
今回はオリジナル展開ということで、原作マンガには無い設定で物語が進んでいきます。
原作に登場するキャラクターは何人か居ますが、前作までで登場していたからこそ引っ張ってこれたのは良いことなんですが……。
設定自体はかなり好きです。
東京オリンピック終了に伴い衰退していったディストピアな日本で、カイジがいかにして逆境に挑んでいくかというのが焦点になります。
地下帝国でもがいていた人間が、地上でも苦しむという顛末。
コロナのせいで実際にオリンピックが2020年に開催されることは無くなってしまいましたけど、薄っすらと「オリンピック終わったら経済どうなるんやろ……」っていうのは脳裏に過ぎってはいたことですから、ちょっとだけ怖くなりますよね。
ま、本当に怖いのは別の所にあったわけですが。
さてさて、設定も面白く、前作までのキャラも登場するのにどこが★2つに留めるに至ってしまったのか。
大きな要因は2つ。
1つは、今作オリジナルのキャラクターです。
ぶっちゃけ、シナリオから排してもいいくらい不要だと思うのが、桐野加奈子っていう「キュー!」しか言わない(そんなことはない)女性キャラです。
前作までのキャラでこなせるような軽い立ち位置がなんとなくヒロインポジに収まって一緒にゲームへ参加しているのがだるくなってしまう悲しみ。
腐敗した国家に立ち向かう構図に対してもそんなに必要性を感じないし、多分色んな人のヘイトを集めているキャラです。
スカッとするのは一時
今回はゲームもそんなに面白くなく。
最後の審判の”演劇”チックな展開をただただ見せられていても、手に汗握る展開になることは決して無いですし、後出しジャンケンみたいになんでもかんでも出てくればいいだけなので、知略云々の駆け引きも薄すぎてゲーム感あまりないです。
ドリームジャンプも運ゲーだし、黄金ジャンケンもなんだか……。
ゲームも新キャラもいまいちな中、唯一楽しかったのは藤原竜也全般の演技とセリフでした。
これでラストなのは非常に惜しいですが、やむ無し。
「ようこそ!バカにしていた底辺の生活へ! --カイジ」
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