映画レビュー/概要

779本目 プレデター:ザ・プレイ/Prey
2022年
監督:ダン・トラクテンバーグ
主演:アンバー・ミッドサンダー

あらすじ
1719年のアメリカ。
ネイティブアメリカンの部族が狩りをしている最中、目に見えない”何者か”に遭遇する。

部族の中で狩りができることを証明したいナルは、この”何者か”を追っていくのだが……。

※まとめはこちら

評価 ★★★★
期待しすぎてもちょっとな~。って思いながら鑑賞しました。
海外記者の絶賛=鳴海に刺さる、の公式になるかどうかはわからなかったので、期待を上げすぎても変な評価になるかと思ったため、それなりの平常心(?)で鑑賞。

すると、シリーズ中でも屈指の面白さであることは間違いなかったです。これは断言して良いレベル。

  • 主役のナル。そして部族の描き方が素晴らしすぎる。
    • 男女の見え方の違い、主役であるナルが徐々に成長する姿が物語にマッチしている。
  • 過去のプレデターが、技術面で今よりもまだ古い武器を使っていることがわかりやすい。また、これはこれでかっこいいという魅せ方ができている。
  • 続編タイトルでありつつも、プレデターに対して”恐怖”を覚える。

登場キャラクター、プレデターそのもの、物語、映像描写、どれを取っても続編でありつつここまで面白い作品を作れたのは忖度なしに凄いと感じました。

具体的な部分は下記にて。


目次
  • シリーズ屈指の面白さ
  • ディズニープラス、Huluのみなのが勿体ない



  • シリーズ屈指の面白さ

    まずお話したいのはプレデターについて(シリーズの主役ですからね)。
    人類も300年で技術的な進化を遂げてきたと思いますが、プレデターも300年でかなり変わってたんだよ、というのがまず面白い。

    1作目以降常に装備されているプラズマキャノンですが、今作では金属製の矢、展開可能な盾等、どちらかというと物理的かつ原始的なものばかり。
    マスクについても今のような金属的なものというより、皮っぽいものであるという点(本当はそうじゃないかもだけど)も、昔の種族が骨とか皮で作った仮面を付けて戦場に赴くようで、見た目からして過去のものであるとわかるのは非常に良き。
    ちなみに鳴海が武器として一番好きだったのはですね。倒し方、使われ方も含めて。

    武器もビジュアルも良いんですが、更にワクワクしたのは人間以外の種族と戦っているシーン。
    腕と腕の取っ組み合い、そして倒したらいつも通りトロフィーとして持ち帰り。
    この一連のシーンはやはりプレデターという種族が昔から狩り、そして強さを求めていたことを象徴する物語として印象的だったかと思います。
    こういうシーンがただちょっとだけカットインしたわけでなく、何種かに渡ってじっくりと戦っているところを見られたのもまたポイントの1つです。

    熊との戦いはまさに手に汗握るシーンでしたので、大プッシュしたいですね。

    ディズニープラス、Huluのみなのが勿体ない

    主役のナル、そしてコマンチ族の生活も非常に興味深いものでした。
    それはビジュアルも含めですが、彼女自身が狩りのレベルをどんどん上げていくこと、何より狩りをするのは男性であり女性にはそこまで大掛かりなことはできないよね?
    そういった種族内の常識を覆そうとする姿勢は、昨今の女性主人公の描写と同様に応援したくなる要素として物語に強く根付いています。

    プレデター、そしてナルの狩りの”対象”が徐々に手強いものとなり、頂点として人間vs.プレデターの構図へ。
    そして最後に今までの戦いを経ての戦略を活かし相手を倒し切る。
    戦い方、それに至るまでの流れ、全て納得のある終わり方でした。

    本当にこの戦いをディズニープラスもしくはHuluでしか観られず、劇場で拝めないのは非常に残念なところです。
    圧倒的自然の描写、思わずゾワゾワしてしまう狩りのシーン。
    どれを取っても劇場で観られればと悔やむものでしたから、せめて続編ができるとするなら劇場公開してくれることを祈るばかり。

    プレデターという”狩りをする”というシンプルなテーマをそのまま体現した今作にはスタンディングオベーションです。





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