映画レビュー/概要

482本目 GODZILLA 決戦機動増殖都市
2018年
監督:静野孔文、瀬下寛之
主演:宮野真守
評価:★★★

あらすじ
ゴジラ・アースが動き出した。
最早ゴジラに対する策は尽きたと考えられたが、道中偶然発見したナノメタルを辿っていくと、2万年かけて巨大都市を構築された”メカゴジラシティ”を発見する。
前作、『GODZILLA 怪獣惑星』にて正体を現したゴジラ・アース。
アースっていうくらいだから規模もでかい。身長は300mを越えており、年齢は少なくとも2万歳以上。
そんなゴジラが今度相手にするのはメカゴジラ。

怪獣惑星のレビューはこちら!

メカゴジラシリーズとの戦いは昭和から始まり、平成でも2機種登場しております。
キングギドラに次いで多く登場するライバル怪獣のうちの1体と言えるでしょう。

そのメカゴジラの造形は今までに比べて非常に刺々しいフォルムになっておりますが、その製造に携わったのが宇宙人ということで、どちらかというと昭和寄り?なメカゴジラを平成としてブラッシュアップした的な形なんですかねー。

にしても、本当に刺々しい。

それ、どこかで

メカゴジラシティを見つけた一行が、そのままメカゴジラを構築して戦うかと思いきやそのまま街のままで対決。
なんとなーくヤシオリ作戦に似た雰囲気+前作でも同様の陽動をして作戦を遂行したため、目新しさは正直無しです。

がっかり要素の1つになってしまうのはやむ無しではありつつも、人間サイドの葛藤は非常に楽しめました。
ヴァルチャーはアニメらしい描写で嫌いじゃないですし。

でも、やっぱりポスターに入ってるくらいですし、ずっとゴジラと戦うために動いていたメカゴジラがぶつかる姿を観たかったのは一番の要望点ですかね。
だって、ゴジラも2万年成長し続けていたわけですし、メカゴジラもそれだけの間ゴジラを倒すために動いていた。そして、ようやく戦える……!ってなったらめっちゃ激アツじゃないですか。
メカゴジラシティという発想は非常に楽しいものではありますが、とはいえ街のままっていうのも殺風景でしたねー。正直。
それ自体が人を取り込んで勝つための糧になる、というビルサルドの考えと地球人との衝突もまた良かったですが、あくまでプラス要因になりえる部分で、やっぱり怪獣同士の激突を少なからず観たかったなぁという意見が個人的にはめちゃ強いです。

強いのはわかるんだけど

かくして、壊滅したメカゴジラシティは火の海。
ハルオも絶望に打ちひしがれ、人類に残された希望は一体なんなのか……?
というところでエンディング。
よりにもよって最後の希望がギドラっていうね、救いようがないですよねどう考えても。
それでも、人が信じる何かという力は状況により大きくなるようでして。
というお話は次回。

かつてないレベルの攻撃を見せてくれたゴジラさんですが、そりゃ強いしどうしようもないっていうのはわかりますが、やっぱり小説版の方がよっぽど怖かったのは間違いないんですよね。
そりゃ当然、立ち向かっている人員の少なさと状況が違いますから単純な対比で言うべきではないんですけれど、やっぱりカメラアングルが遠すぎたりしますのでめちゃ気になっちゃいます。

戦争中、どれだけの怪獣と戦ってきたか。
どんなに命を奪われても戦い続けてきたか。
ゴジラという存在がいかに絶望であったか。
今までのゴジラシリーズで、そこまでの恐怖心を感じたことはありませんでした。
それを文面だけで植え付けた小説版は非常に素敵な作品だと思いますし、ガイガンの下りは涙なしには見られません。

そういう背景も込みで観ると楽しさがアップする本作の物語です。
人として戦うべきか。ゴジラと同等の存在にならねば倒すことはできないのか。
これまたディスカッションしたくなるテーマが詰まった一作でした。





「俺たちが成すべきは、人としてゴジラに打ち勝つことだ。  --サカキ・ハルオ」

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