映画レビュー/概要

395本目 猿の惑星:新世紀"ライジング"/Dawn of the Planet of the Apes
2014年
監督:マット・リーヴス
主演:ジェイソン・クラーク
評価:★★★

あらすじ
猿インフルエンザによる全世界パンデミックは、人類の文明崩壊に至った。
シーザーは仲間たちと平和に過ごしていたが、残った人類が反旗を翻し……。
猿の惑星:創世記"ジェネシス"』にて、猿の惑星を形作ることになる最重要猿であるシーザーの生い立ちが語られました。
そこから10年後の舞台として今作は位置づけされており、徐々に地球が”猿の惑星”になっていく過程が見られます。
あれ、これって第一作のネタバレでは。まぁいいか。パッケージでネタバレしているようなものなので。

ともあれ、今回はシーザーは残った人類と戦争をするか否かという部分に焦点があたります。
人間ドラマの濃さで言えば前作の方が圧倒的に多かったことに対して、今作はシーザーに家族ができたこともあり、猿側の視点も多く語られます。

そこに楽しさを見いだせるかどうかで大きく評価は変わってきそうですが、個人的には並。
どう転がせば面白くなったのか?という想定もなかなか難しく、この2作目という大変デリケートなゾーンを描くこと事態が困難なので、それを加味するとむしろ良作なのでは?とも思えてきます。

気づけば終わっていた前主人公

前作の主人公であるウィル。
彼のことはほぼ(というか全然)語られなかったんですが、設定上死んだことになっていたご様子。

大人の事情でお亡くなりになっていたとはいえ、前作の主人公なのでもう少し話を盛り込んでくれても……。

世界が猿インフルエンザによってほぼ死んでしまったことを考えると、シーザーの身近に居た人物から死んでしまうっていうのはわかりますが、そこはなんとかならんかったもんかなぁとも思うのは鳴海だけでしょうか?
前作との繋がりがある人物って、物語の進行上かなり重要なポイントになるため、そこらへんがどう扱われるかも、続編としての得点に大きく影響が出るところですよね。


更にダークな雰囲気へ

家族を得たシーザーが、望まない戦いをせざるを得なくなったというところで物語が終幕。
今回の主人公は、そんなシーザーとの共存を望んでの行動をいくつもしてきましたが、それが叶わずジ・エンド。

どうにも、ジェイソン・クラークが演じるキャラクターの中身が薄いのは別作品でもあることですけれど、どうにも感情移入しにくく中途半端感が否めません。

それが、前作の主人公に対する扱いとも同様かもしれませんが、例え彼が平和を愛する人物だったとしても、シーザーに対してそこまで入れ込める理由の深堀りがもう少し欲しくなりました。
当然、人類が絶滅前であることもわかるんですが、誰しもが聖人君子では生きていられない。
故に戦いが起きるという構図もわかりつつ、彼がそこまでの行動をするに至る感情的な部分をもっと見たかったなと。

今作については、そこのもやもやが取れず★3つにて終幕です。





「我々は、戦争など望んでいない!  --シーザー」

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