映画レビュー/概要

375本目 戦国自衛隊1549
2005年
監督:手塚昌明
主演:江口洋介
評価:★★★

あらすじ
2003年。
演習中の自衛隊員達が謎の嵐によって過去に飛ばされてしまう。
彼らを救うために部隊を編成。改めてタイムトラベルできるタイミングを把握し、戦国時代の過去へ飛ぶことに。

そこに居た敵は、織田信長であった……。

目次
・歴史×SF
・滅亡する時間軸を救え!
・邦画あるある的な



歴史×SF

1979年の『戦国自衛隊』のリメイク的立ち位置とされる今作。
鳴海がこの映画を知ったのは、『ゴジラ ファイナルウォーズ』を鑑賞する劇場でのこと。

当時の鳴海としては、予告のインパクトだけで興味を持ち、その後鑑賞するに至ったわけですが、個人的には楽しめた一作です。

歴史をぶっ壊そうとする未来人が、自衛隊の武器を引っさげて全国統一しよう!なんて話はそうそうないですからね。残念ながらそこに対する描写はそんなにありませんが、武士と戦車が並ぶ姿を見られる物語っていうだけで胸アツです。

そもそも、SFが混じっていることで歴史IFなんてものも無しに、完全に独立したストーリーとして楽しむべきなので、「史実が云々」という下りも特に議論する必要は無いかと思いますんで、タイムトラベル要素について主に着目しレビューを進めていければいいかなと。

滅亡する時間軸を救え!

謎の嵐によって過去に飛ばされる自衛隊。
その自衛隊員達を救うために過去へ。

しかし、最初に過去へ飛ばされた隊員達は過去の日本を書き換え、新たな日本を作ろうと画策していたのだ…!!
というのが本筋の物語。

三食タイムトラベルでご飯をいただきたいくらい好きな鳴海にとっては、これだけでめちゃめちゃテンションが上がる要素です。
それが面白いかどうか判断するもう一つの軸が、中盤以降の流れにあるかと。

OPの過去に飛ばされ、戦車と戦国時代の武士が同じ画に収まるというのは好奇心溢れる場面ですが、そこからしばらくは救出に関する話。
少し戦闘シーンが入ってくれればいいですが、書き換わった戦国時代の情勢が入り、それをどうにか修正できないか……。
となっていくわけですが、もう少し武士と自衛隊がドンパチやるシーンが多かったらもう少し評価が変わったのでは?と。

早く戦って欲しいのに、説明でもやもやし続ける時間が多いですし、それを退屈だと思っちゃう人も居るでしょうね。

そして何より、、、

邦画あるある的な

入れざるを得ないんでしょうけど、恋愛事情と元チームの師弟関係など、人間関係模様が濃い。タイムトラベルと歴史ものという要素を半減させてしまうくらいには濃い。

折角異世界に来ているのに、現実の仕事をさせられるくらい味気ない。
鳴海としては、未来の日本を賭けるための戦いを更に壮絶な形で描いて欲しかったなぁと。
確かに、最終決戦のために各地の武将が砦を目指す形でしたが、それにしてはスケールが小さめ。

なんとも勿体ない。
全てを殴り捨てて全力でひん曲がってくれた方がもっと映画史に名を残したことでしょう。

なんやかんや言っておりますが、一回はご覧いただきたい娯楽作であることに違いはないので、歴史ものは嫌いじゃないし、SF(主にタイムトラベル要素)も嫌いじゃない人は観てください。




「ならば、守ってみろ。  --織田信長」

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