映画レビュー/概要

3本目 ピラニア リターンズ/Piranha 3DD
2012年
監督:ジョン・ギャラガー
主演:ダニエル・パナベイカー
評価:★★
※ネタバレアリ

続編モノの鬼門は、いつも「前作より面白いか?」というもの。
これはいつの時代であっても変わらず、例えそれがお涙頂戴の恋愛ものであっても、ピラニアの大群が襲ってくるパニック・モンスターものであっても変わらない。

前回のピラニア3Dは、頭を空っぽにして観られる愉快な作品であった。
だが、評価は★2つだけ。果たしてその実態は……。
目次
  • やってることが変わらない
  • クリストファー・ロイド扮するグッドマン博士の存在感
  • 色物すぎる



  • やってることが変わらない

    「お前らピラニアが水着美女を襲ってるシーンさえあれば満足なんだろ!!」という製作陣の声が聞こえてくるようなシーンが網羅されており、それはそれでパニック映画のノルマ達成を果たしているわけなんですけれども、そればかりやっていては、「前作を観ていればいいじゃん!!」と一言つけられて終わってしまう。

    ピラニア3Dのレビューは下記にて!
    【ネタバレなし】2本目 ピラニア3D │ 夏のビーチでお姉さんと戯れるピラニアをご紹介

    勿論そんなことはなく、新たな設定も追加されている。しかし、それが生きるかどうかはまた別問題。
    前作と同じ流れでパニックになる会場。食べられる人達。とりあえずずっと映されている巨乳。
    またデスカ。。。

    クリストファー・ロイド扮するグッドマン博士の存在感


    この博士がもっと物語に関わっていれば、面白さは倍増していたかもしれないですね。
    前作では少ししか関わりが無かったため、個人的には物足りず……。

    得体のしれない生き物のことを、見ているだけでどんな生態か想像はつくし、人を襲ってるだけで役割を果たしているのも確か。
    物語に深みを出す要素として、『博士』という設定はとても便利。
    例えその世界で知られない生き物だとしても、その観察力から答えを導きだすことができる。

    そう考えると、モンスター・パニックものに出てくる博士達って本当に凄い存在なのではないかと。自分が襲われている状況であっても、そこから抜け出すことができれば何があったかをしっかり整理し、次の襲撃に備える。犠牲になってしまう登場人物達が残したなんらかの鍵を、主人公達(自分が主人公の場合は、必ず最終局面で活かしてくる。強い)が生きるためのアドバイスをする。こんなに素敵な役割はそうそう無いですし。

    今後様々な映画をレビューしていくことになりますが、物語の中で解説を務める人物たちに注目していくのも、また一興かもしれませんね。

    などと言っておきながらも、『ピラニア リターンズ』は塩ラーメン並にあっさりした説明しかせずに終了。今回の見せ場を一番最後のわけわからん進化に割いてしまったのは如何なものかと。

    いや、そもそもこのシリーズは3D映画として楽しめるように製作しているわけであって、別に物語がどうとか今更言い出すのも野暮ってものかもしれない。

    だったらピラニアを歩かせるな。

    色物すぎる

    ストーリー性に対してとやかく言うつもりはないですし、ピラニアが集団で人を襲うジェノサイドなシーンがあればノルマ達成ではありますので、それ以上でも以下でもないってのが今作の総まとめになります。

    意外性をもたせる設定は別に良かったんですが、それにしては途中のだらけ方が凄い。
    前作でやったことの二の舞をただやるのと、オマージュ的に盛り込むのとでは楽しみ方が違いますからね。

    もう少しベクトルを変えた展開を入れてくれた方が、続編としての価値が上がっていたかもしれません。
    そう、進化の下りとか……。





    「ピラニアが進化して歩き始めたぞ! --グッドマン博士」

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