映画レビュー/概要

637本目 アナと世界の終わり/Anna and the Apocalypse
2018年
監督:ジョン・マクフェール
主演:エラ・ハント
評価:★★★

あらすじ
クリスマス。小さな街をゾンビが襲う。
果たしてアナは、喧嘩した父親と再び再会し、生き延びることはできるのか。

というお話をミュージカル化した作品。
幾多のゾンビ映画が星の数程出ては消えゆく映画界。
まさにゾンビのごとく大量生産されるホラー回屈指の人気クリーチャーですが、予想もできないようなゾンビ映画作品が登場。

まさかのゾンビ×ミュージカルという、誰がそんな作品を待ち望んでいたんだ!?ゾンビ映画ファン?それともミュージカルファン?
予想外すぎる組み合わせに、鳴海もほいほい釣られて鑑賞してみましたが、思った以上にエンタメしていました。

物語は普通にゾンビ映画ですし、いつものテンプレとも言えるような下りもミュージカルで何度も観た展開がちょっと違った視点で楽しめます。
とはいえ、物語と後ろで動いている人物に関係なくミュージカルを演じるキャラが居ることに対して違和感を感じたり、そもそもゾンビとミュージカルなんで邪道だ!と思っちゃう人にはオススメできないですね。そりゃそうですが。

あ、ちなみに邦題についてもお話を。
タイトル的に、『アナと雪の女王』を文字だった邦題かな?と思いきや、原題はしっかりとアナ・アンド・ザ・アポカリプス=アナと世界の終わり になるため、全然相違無しです。

平和な街にゾンビと親子喧嘩

平和な街にゾンビがやってくるのは日常茶飯事(?)。
この映画の舞台(2つの意味で)の街であるリトル・ヘイヴンにゾンビが現れる。
人々はゾンビに襲われどんどん荒廃していく。

後ろでゾンビに噛まれていてもお構いなし。
アナはこの退屈な高校生活に対して悲観しつつも、自分はまっすぐ自分の道を歩むのだ!と高らかに歌い続ける。

これ、予告編を観てもらえれば一発でわかりますが、こういう世界観のまま話が進んでいきます。
ミュージカル形式なので、ずっと歌が続いていくというわけではありませんが、要所では必ず入ります。

ミュージカル映画をそんなに沢山観ているわけではありませんが、それにしてもいい曲が多い印象を受けました。サントラを作業用BGMにしてもいいかな?って思うくらいには好印象です。
アンマッチすぎるんじゃないか?とネタ的な視線でDVDのパッケージを取っただけに思わぬ収穫でした。

騙されたと思って観てもいい

先述の通り、曲はとても良いです。
肝心のストーリーはというと、ゾンビ・アポカリプスと青春もの、親子の絆が入ってくるので、最低限その話をなぞるだけでも楽しめちゃいます。
下手な安ゾンビ作品よりもよっぽどまともですし、人間サイドの悪いやつもちゃんと登場。

そこらへんの下りもしっかりしつつ、オチも爽快。
意外にも誰が生き残るのかミュージカルの演出もあるお陰でわからないという、不思議な効果を生み出していることにも気付かされました。

毛嫌いせず、こういう特殊な映画もあるもんなんだなぁと思って鑑賞してみては?と言っちゃうくらいには楽しめたと思います。
少なくとも、100円出して後悔した数々のゾンビ映画よりもよっぽど有意義な2時間でしたね。





「人生を変えるわ。  --アナ・シェパード」

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