映画レビュー/概要

697本目 ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
2019年
監督:山崎貴
主演:佐藤健
評価:★

あらすじ
誘拐されてしまった母、マーサを救うべく父親のパパスと旅をしていたリュカ。
魔王を復活させようとするゲマと対峙するが、リュカが人質に取られてしまい……。
当時あまりにも賛否を巻き起こしたドラクエ5ベースの3DCG作品をようやく鑑賞。
あまりの批評の嵐に、逆にどうすればドラクエ5が変な風になってしまうんだろう?
と思ってましたが、確かにこれはやりおったな、っていう感じですよね。

争点はどう考えてもラストですが、それ以前に鳴海としては声優さんの起用をもっと正しく選出して欲しかった、という希望がかなり強くあります。
敢えて俳優・女優を起用したのは、ラストに繋がる部分の兼ね合いがあるとか、本格的アニメーションムービーにする気はありませんでしたとか、どっちかというと話題集めで設定しました的な理由かもしれませんが、ドラクエファンの方々はどうでもいい要素ですよねぶっちゃけ。期待していませんよねそういうところに。

どこぞでは”令和のデ○ルマン”とか言われてますけど、流石にそこまで酷いもんじゃあありませんでしたよ。
あの映画と比較したら、天地の差の開きは絶対にありますよ。だってあの映画の立ち位置なんて地獄突き抜けてあの映画以外何もない虚無空間ですから。

とまぁ、例の場面を除けばそこまで酷すぎるもんでもないよなぁってところで続いてお話の中身いきましょう。

懐かしの展開盛り沢山、が

ドラクエシリーズのみならず、RPGという括りの中ではどう考えてもつらい人生を歩んできたドラクエ5の主人公ですが、今作ではその辛い足取りを映画用に凝縮して辿っていく形になります。

とはいえ、全てまるまる同じというわけではなく、所々の設定は変更がかけられています。
そこからして全然違うから嫌という人はいるのかもしれませんが、鳴海としては妥協できる範囲かなと。

物語として纏まっていますし、モンスターとの戦いも想像以上に楽しんで観られました。
なんなら、もっとこういうシーン増やしてくれても良かったかなーと思うくらい。
こういうクオリティでドラクエ8の話作って欲しいなーと思うくらいでしたからね。

ただ、先述の通り、声がキャラと合っていないことだけはどう足掻いてもマイナス評価にしかなりませんでした。ヘンリー王子の声、もっと若々しくないと違和感しかありませんが???

幼少時代、結婚、最終決戦と、それぞれ「あー、これ懐かしいよなー」って思えるし、BGMもすぎやまこういちサウンドでこみ上げてくる今や忘れてしまったような感情。

いやー、あの展開さえ無ければ全然スッキリ観終えることができたのに。
これ、予算云々ではなくそういう脚本にしてしまったことを止められる人物が現れなかったことが一番の悲劇かもしれません。

問題のラスト

誰もが問題視するのはラスト。
今まで観ていたのは、ただのバーチャル仮想空間。

ラストはただのバグ?ウイルス?で、ミルドラースなんぞではなく単にゲームを終わらせに来た何かっていう、なんにも嬉しくない展開。

そこまで紆余曲折はあれど、ドラクエ5ベースのアドベンチャーをそこそこ楽しんで観ていたというのに、どうしてあんな結末にしてしまったんでしょう??
ドラクエ5の思い出は永久に不滅です的な話をしたかったんでしょうけど、この映画でわざわざ語る必要は無かったんじゃないでしょうか?
その結果、あれだけの賛否が巻き起こったわけなので、きっと観客はそんなメッセージを求めちゃいなかったでしょうね。

ドラクエ5の楽しい思い出を映画として物語を復活させてくれればそれで良かったような。
鳴海自身もドラクエ5はプレイしていましたが、何度もリピートするほどまではやったことがありません(※スーファミのデータが必ずリセットされてしまい……)。
ですが、そんな鳴海でも流石にこの展開は享受できないっす……。





「僕は本当に、勇者なんですかああ!?  --リュカ」

#鳴海の一人でキネマ
#ドラゴンクエスト
#映画レビュー