映画レビュー/概要

694本目 進撃の巨人
2015年
監督:樋口真嗣
主演:三浦春馬
評価:★

あらすじ
突如人類の前に現れた”巨人”により、人類は絶滅寸前まで追い込まれる。
巨人対策として気づきあげた壁により、人類は生き延びられたが……。
事前のキャストでも反乱を巻き起こし、公開後も作中並みに戦争となった人気漫画実写映画化。
この作品に限らず波乱を起こす要因になるのは、いつも”原作”との違い、もしくはそもそも実写映画化する、ということ。

んであれば、そもそも映画化すること自体が間違いになりそうな気もするんですけど、それでも実写映画化されても楽しめる作品があるからこそ”逃げ”にならないように楽しめる作品を作って欲しい、そして観たいと思うのは映画好きの性な気がします。

なんてことを思っちゃいるけれど、実際に観てみるとがっかりするのはよくあること。
じゃあ、実写版進撃の巨人のどこが駄目って、大きく分けて3つな気がします。

・日本人が英語名のキャラを演じるのは無理がある。
・大幅な原作ストーリー改変。
・キャラクターの改悪。

2つ目は、ただ実写映画化したことに対する価値が薄れてしまうので、オリジナル展開で進むことはまったく異論無しです。
ただ、その他はどうあがいても覆すのは難しく、ファンが激怒する要素はここに詰まっています。

そりゃ、怒りますよね。

ヘイトが溜まるのも無理はなく

原作のまま進む必要はない、ということはオリジナル展開が必要になるっていう下りも別の映画レビューでお話した気がしないでもないですが、今回も二の鉄を踏んだということになりますよね。

序盤の紹介はさておき、名前と顔の合わないギャップの違和感が痛烈で、原作ファンは「なんだこのシーンは」っていうエレン達の立ち話。
ただし、そのシーンは続編でしっかり回収される無駄にはならないシーンですが、そんなことすら踏み潰したい気持ちになるくらい冗長なシーンが続いていくのをただぼんやり見ているだけ。

話が進むにつれて映画オリジナルキャラが出てきますが、大体が殺されていくのである意味気になりません。
むしろ、気にならないことが問題かとは思いますが。

大型巨人が登場してからのCGについては圧巻でした。
そこについては次項で触れますので一旦飛ばして、そこからは開いた穴を塞ぐためのあれこれが進んでいきますが、ちょっと違和感のあるアクションがあって、最後にエレンが巨人化したんだすげええええの終幕。

原作通りの設定ではありますが、2作目で興行収入が半分になったことからも、期待値が爆下がりしたことは言うまでもありません。
それくらい、続編が見たいと思う要素も特になくです。
設定云々や顛末については次作のレビューにてお話します。

『テラフォーマーズ』同様、虚無感を抱きつつのスタッフロール。
現場の役者さん達は進撃の巨人っぽいことができて楽しかったかもですが、観ている鳴海はポカンです。少なくとも、日曜日の貴重な2時間は消えてしまったわけです。

特撮&CG演出は観ていて楽しい

巨人が生々しく人を食い殺したり、エレンが巨人化するシーンについては加点させていただきます。
物語が、この映画そのものが不快という意味ではなく、巨人の不気味さと人が食い殺されていく不快感はしっかりと描写されていたと思います。
その点については、日本映画でありつつしっかりと描かれていたのはナイスかと。

エレンの巨人化についても、その当時の技術レベルを考えると非常に見応えのある変化シーンだったかと思います。特撮作品を彷彿とさせるシーンは、樋口監督らしいなーと思いつつ、巨人を殴り倒していく爽快感は今までの退屈さをもふっ飛ばしてくれました。

とまぁ、漫画もアニメも中途半端にしか話を読み進めていない鳴海の感想はこんなところです。
少なくとも原作ファンには観てといえないですし、映画ファンにもそんなにオススメはしない一作です。





「駆逐してやる……。  --エレン」

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