映画レビュー/概要

678本目 エノーラ・ホームズの事件簿/Enola Holmes
2020年
監督:ハリー・ブラッドビア
主演:ミリー・ボビー・ブラウン
評価:★★★

あらすじ
突如失踪した母を探すため、兄達の言葉を振り切り旅に出るエノーラ。
天才である兄達は彼女を追うが、エノーラは予想し得ない方法で振り切ろうとしていくが、その途中で出会った男性との出会いが、彼女を大きく変える……。
(NETFLIXオリジナル作品)
シャーロック・ホームズという作品が世に出回った頃、「え!?まだシャーロック・ホームズ読んでないとかマ?絶対に読まないと駄目だよ」なんて話が横行していたそうな。
あれ、令和の時代にその既視感があるのは、やっぱりいつの時代も人っていうのは変わらないということなんでしょうか。

っていう話はさておき、今回はシャーロック・ホームズではなく、その妹であるエノーラ・ホームズに着目した事件簿。
このエノーラ・ホームズというキャラクターは、元々ナンシー・スプリンガーという女性作家が作品として世に出したものになりますので、正統的シャーロック・ホームズの妹?とはまた別のお話になります。
コナン・ドイル原作のシャーロック・ホームズを全部読んでいないのであれですが、確か妹の下りはなかったはず。
モリアーティ教授との直接対決後から読まなくなってしまったので。御存知の方がいらっしゃいましたら是非教えて下さい。

てなわけで、コナン・ドイルの知らぬところで登場したこの妹。
やっぱりあの兄ありてこの妹ありっていう感じで、頭脳明晰、行動力はズバ抜けており、好奇心に勝てない。

メリー・ボビー・ブラウンが主演を務めていますが、まさにそのキャラクターを体現しており、休日のひとときを過ごすにはちょうどいい仕上がりになっております。

アクション×サスペンス×可愛らしさ

ロバート・ダウニー・Jrが演じる、肉々しい&コミカルなシャーロック・ホームズも大好きですが、こちらのホームズは可愛らしさ追加。
アクションもこなせますが、まだまだこれからといったところで、万能ではありません。

マイクロフトとシャーロックが万能すぎるがゆえのことではありますが、それに近い才能を感じさせる彼女の能力には、ジャンプマンガの主人公感がどことなく漂っているような。
ヤングアダルト小説の主人公キャラって、そういう感じなんですかね?(知見無し)

そんなこんなで母を探して三千里な彼女が、イケメン男子と出会って恋をするかしないかギリギリのラインで冒険とサスペンスを楽しみつつ、知略を駆使して最終的に兄を超えられるのか?っていう展開ですので、特にシャーロック・ホームズを知らなくても、原作のエノーラ・ホームズの事件簿を読んでいなくても問題はまったくありません。

『ストレンジャー・シングス』から主役のメリー・ボビー・ブラウンを知り、『ゴジラ キングオブモンスターズ』で更に有名になった彼女の今後に期待です。

もうひと押し感

とはいえ、手放しで称賛するにしては、ちょいと目につくところもしばしば。

第三者に語りかけるように描写が所々、というか多くあります。
デッド・プールくらい第4の壁をぶち壊すキャラであればまったく気に留めないんですけれど、ちらちらとこちらを見ながら喋るシーンがあまりにも多すぎて、どうにも気になって仕方が有りません。

別にこっちの世界に鑑賞してどうのっていう話も一切無いですし、独り言風に進めるにしてもちょっとテンポが……。
多少ならいいんですが、それなら別のキャラに語りかけた方が良くない?とか、独白の描写を増やして”アローン”らしさを出してくれても良かったんじゃないかと。

紹介時のカット割りはめちゃめちゃテンポ良くて見やすいがゆえに気になってしまう、そんな気がかりがあるくらいで他は良きなので、★3つにて終了いたします。





「私はエノーラ。でも文字を入れ替えると”アローン”。  --エノーラ・ホームズ」

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