682本目 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -/なんと美しきことか
映画レビュー/概要
682本目 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -/Violet Evergarden2019年
監督:藤田春香
主演:石川由依
評価:★★★★
あらすじ
C.H郵便社で「自動手記人形」と呼ばれる代筆業を行う、ヴァイオレット・エヴァーガーデン。
今回は大貴族・ヨーク家からの依頼で、娘の教育係として3ヶ月出張することになる。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、 KAエスマ文庫(京都アニメーション)より刊行された小説を原作とするテレビアニメシリーズです。
鳴海は劇場版が公開されたことによりこのシリーズを知った口なのですが、観たことがある周りの声を聞くと「号泣した」「泣かないわけがない」など、涙の嵐が吹き荒れていたので、早速テレビシリーズを鑑賞。
「まーたそんなこと言って、そこまで言われたら泣きませんよ?」って構えていた鳴海は即落ち2コマのごとく号泣。
全13話(+OVA)のうち、7,10,11,13で泣きまくり、この外伝でも号泣。
感動物語って沢山あると思うですけど、今まで泣いてきた作品群と違って、ヴァイオレット・エヴァーガーデンシリーズは自然と涙が溢れてくるっていう言葉が似合います。
心からこみ上げてくるこの想いっていう歌詞がどこかであったりしますけど、まさにそれ。
主人公であるヴァイオレットは代筆業を行う=手紙をタイプする仕事で、その文面は「人の心に自然と入り込み触れる」と称される程。
まさにその評判通り、このシリーズは観る人の心にすっと入っては感動の渦へ誘うんでしょう。
美しいのは描写か、魂か
さて、今回はテレビシリーズ終了後の続きとして描かれる続編が、劇場公開されたものとなります。
なので、前提としては必ず前日譚として追っていただきたいところです。
見れないこともないですが、ヴァイオレットの人となりを知るには必須なので、どのみち観てもらった方がいいとは思いますし、どうして彼女がこんなにも”お人形”のようでかつ美麗なのかがわかるので、是非とも観ていただけると幸いです。
では本題へ。
今回は自動手記人形(ドール)として働くヴァイオレットに依頼が入り、珍しく教育係という形で仕事をすることに。
物語はいつもの通り、手紙を送りたい人に送るまでの顛末とその事柄が詳細に語られるわけですが、話の綺麗さと共に描写も美しい。
昨今では新海作品が超絶綺麗ってことで世間では通っているかもですが、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の風景、人物描写も相当に美しいです。額に飾りたくなる美しさ。いや本当に美しい。
自然の風景で心洗われることもあると思いますが、鳴海はこの作品を観ているだけで心洗われます。
誇張だと思うのであれば、まずは予告編からで構いませんので少しご覧になって下さい。
仕事1つが素敵に見える
同僚であるベネディクトのセリフ「郵便配達なんてつまらん仕事」が、後半ぐっと効いてくるわけですけど、”手紙を届ける”というシンプルな仕事を”幸せを届ける”っていう置換ができるあたり、心が綺麗ですよね(遠い目)。
仕事なんざお金のために働いて、めんどくさいことを捌くやりたくないこと、っていう認識がほとんどの人の共通認識だと思いますが、彼らを見ているとそれが恥ずかしくなるような……。
令嬢であるイザベラにとっては、ヴァイオレットの存在は疎ましく、早く消えて欲しいものでしたが、その心の美しさに惹かれ、心を開いて行くようになります。
ヴァイオレットが仕事をするようになったきっかけはとても切ないですが、彼女が辿ってきた足跡は今も消えることなく、出会った人の心に優しく触れる大切なお仕事をしています。
そんなヴァイオレットに心打たれたのはもう何回目になるか……。
ネタバレ無しで最後に簡単な総評ですが、前編と後編の時の流れを超えた伏線回収はお見事。
いつもの美麗な描写に加え、時代の流れをも反映させる展開も心躍り、作品に彩りを与えてくれました。
これから観に行く劇場版が更に楽しみになる一作です。
「エイミー……。 --テイラー・バートレット」
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