映画レビュー/概要

676本目 TENET テネット/Tenet
2020年
監督:クリストファー・ノーラン
主演:ジョン・デヴィッド・ワシントン
評価:★★★★

あらすじ
とあるオペラハウスにて、テロ事件が発生する。
この事件はCIAスパイを暗殺するための偽装であった。

要人を救出するためにCIA工作員として特殊部隊に混ざり任務に望む”名も無き男”は救出に成功するが、その後ロシア人達に捕縛されてしまう。
拷問の末、自決をしようと薬を飲んだが、それは自決役ではなく睡眠薬だった。

次の任務のために必要な行動だったとし、謎の男から任務のキーワードを耳にする。

『TENET』。

彼は”無知”を武器に、世界を救うための事件に挑む……。

目次
・寝かしに寝かした一作
・世界に公開されるまで
・超絶難易度



寝かしに寝かした一作

ようやく世界にお披露目された『TENET』。
日本で9月に公開されてから現在(2020年10月中旬)まで引き続き人気作品として上位に位置しています。
国内作品じゃ『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が公開されてとんでもないことになっておりますが、TENETは2020年興行収入ベスト3に入るのでは?っていうくらいの勢いです。
(※鬼滅が入ったことで一気に上映回数変わって伸び率下がるかもですけど、どうなんでしょうね)

さて、世界各国の映画好きがよだれを垂らしながら待っていた今作ですが、クリストファー・ノーラン曰く、バックグラウンドの着想を大体20年くらい温めていたそうなんですが、脚本の練り直しも6,7年はかかったとのこと。

それだけの時間を費やしたに相応しい複雑さ。
はてさて、一体どこにその難しさを感じるのか?

まだ見てない人のために、鳴海の一人でキネマでは珍しい前編(ネタバレなし)と後編(ネタバレあり)に分けてお話させていただきます。

世界に公開されるまで

時は2020年初頭。
徐々にコロナウイルスという言葉がニュースでも流れはじめ、映画界にも不穏な流れが出てきて、予告編を観ている映画が軒並み延期という最悪の事態に。

鳴海を含む映画ファンはこれのせいでめちゃめちゃ迷惑を被るわけですが、10月になっても解消されず参っている状況です。

特に困っているのは『キングスマン ファーストエージェント』と『ブラック・ウィドウ』が延期していることですが、ありがたいことにTENETは無事公開されました。

元々TENETは7月公開予定でしたので、例に漏れず来年公開に~とか言われちゃうのかと思ってましたが、そんなこともなく映画館で観られたのは本当に嬉しかったです(こなみかん)。

初めてTENETの予告を観た鳴海は、「おー、またクリストファー・ノーランの新作かぁ」なんて呑気に観ていました。その時はぶっちゃけ「レンタルして見るか。予告観てもなんだかわけわからん感じだし」っていう感想。
なんですけど、度重なる作品の延期により映画館で映画を観たい欲が爆発した鳴海は、6月に6回以上足を運んだこともあり、その回数分TENETの予告を観たわけです。
そうなってくると、もはや観なければ気がすまないような気がしてしまい……。

そんなこんなで、IMAXで鑑賞した鳴海でございましたが、「レンタルして見るか。予告観てもなんだかわけわからん感じだし」って思った自分がちゃんと劇場に足を運ぶ世界線で良かったと安堵しました。
しかしこの予告観てもなんだかわけわからん感じだし、は正にこの映画を体現している感想だったなと。

超絶難易度

世の中で散々騒がれ、前評判も他の映画レビュー記事でも「難しい」「難解」「クリストファー・ノーラン史上最も難しい」なんていう言葉は散々使われましたよね。

ほんと、そのとおりなんですが。

じゃあ何がそんなに難しいん?っていうところなんですが、今作には今作の独自ルールが存在しています。
そこの理解に及ぶことがまず困難であり、「なんでこのシーンってこんなことになってんの?」が2時間以上延々と続くわけです。

SF映画のタイムトラベル系が好きな人については、かなり飲み込みやす方ではあるかと思ったのは鳴海個人の感想です。
独自ルールである、『時間の逆行』という概念が、ややこしくしている原因の一つでもあるかと。

とは言いつつも、ビジュアル面は圧巻で、銃弾が戻る、横転している車が元に戻るなど奇っ怪ながらも”なんとなくそういうことなんだろうな”は把握しやすいようになっています。
映画が苦手、難しい作品も苦手な人は、いいから、まずそのビジュアルで楽しむことをおすすめします。
映画館ならではの映像美は、絶対に映画館じゃなければ味わうことはできませんし、アクション映画としても楽しめるので、絶対に劇場で御覧ください。

一度に全てを把握することはほぼ無理に近いでしょうが、なんだかんだでアシスト役であるニールがかなり重要なセリフを言ってくれていたりするので、なるべく彼のセリフに注目してご覧いただけるといいかもしれないですね。





「起きたことはしょうがない。だが、何もしない理由にはならない。  --ニール」

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