映画レビュー/概要

374本目 ドント・ブリーズ/Don't Breathe
2016年
監督:フェデ・アルバレス
主演:ジェーン・レヴィ
評価:★★

あらすじ
経済破綻した町から逃げ出すべく、ボーイフレンドから持ちかけられた強盗話に乗ったロッキーは、盲目の老人宅からお金を盗もうとする。

しかし、その家に居る老人は盲目でも人を殺せる程の力を持つ狂人であった……。

目次
・だるまさんが殺された
・戦慄!鬼ごっこ
・不死身なんですか???



だるまさんが殺された

息をするな!でお馴染みにドント・ブリーズをレビューするお時間になりました。
今作、予告編から色んな映画ファンを賑わせている作品で、鳴海もその熱狂というか恐怖というか興味本位な部分に惹かれて劇場へ足を運びました。

何がそんなに話題になったかって、盲目の爺さんが家に入ってきた盗人を返り討ちにするっていうシナリオですよ?そりゃ楽しみに決まってるじゃないですか。

こういう作品だと、登場人物に対して「早く逃げてくれ!」ってなるところですけど、逆に「爺さん早く覚醒してくれ!」っていう期待値の方が高かったくらいです。

その期待値が同様に高い人は少し拍子抜けしてしまうかもしれません。
後、純粋に捻くれたホラー的恐怖を味わいたいっていう趣向がちょっとズレた路線がお好みの人からすると、逆に終盤の展開が気にいる可能性は大です。

そんなこんなで始まる爺さんとのだるまさんが転んだ、改めだるまさんが殺された、の感想について次項で更に記載いたします。

戦慄!鬼ごっこ

※ここから超ネタバレ

家に侵入したのはいいけど、超絶能力を持つ爺さんのせいで主人公たち一行はどんどん追い詰められていく。

その先で待っていたのは暗闇鬼ごっこ!
侵入者絶対許さないマンである爺さんが、暗闇であろうと関係なく迫ってくる。
そりゃそうです、目が見えないんですから、別に爺さんには関係ありません。

地の利もあり、更には主人公たちは暗闇に誘われ更に大変。
どんどん恐怖が膨らむ中、突然現れる謎の女性。

さて、ここからが大変です。

娘を亡くした爺さんが、その精算をさせるべく相手の女性を拉致監禁していたという事実が発覚。
とんでもねぇ展開がそこには待っていた!!!

これが賛否分かれるところで、びっくり系鬼ごっこホラーを期待していた人はこの展開にドン引き、ドント・ブリーズどころじゃありません。ドン引きです。

根暗系ホラーが好きな人は更に歓喜な展開。
爺さんの顛末も相まって楽しめたことでしょう。
終盤近くのこの展開を飲み込めるかどうかによって、作品自体の評価が大きく変わるような気がします。

折角の鬼ごっこを期待していた鳴海としては、そんな道筋を用意しなくても……と、落胆した記憶が今でも新しい。
もっとクレイジーな爺さんが見たかった。

不死身なんですか???

散々な目に遭わせてきた老人が、逆に散々な目に遭ってしまうことに。
観客的に見てれば「やっと静かになりやがった……」くらいな感じですけど、そう簡単には終わらせてくれない。

ラストシーンでは老人が生きていることを示唆するニュースが流れ、主人公と妹は新天地目指して歩みだす。

単純にスッキリさせて終わらせてくれればよかったものを、濁りに濁らせて終わっていくこのスタイル。
好きな人には相当たまりませんし、鳴海的にも嫌いじゃありません。

ポイント別に見ると、序盤からの怖がらせ方、爺さん覚醒、暗闇鬼ごっこ等見せ場は沢山ありつつも、いかんせん家の中だけということもあって中々楽しさにたどり着くまでの歯がゆさがある。
そこが全編通してもう少しスマート(そもそも物語はシンプルなので、そこまで横道に反れることも無いんですが、もう少し爺さんの見せ場多くても良かったような。登場人物多くして犠牲者増やしてよかったかも)になればいいかなぁと。

2020年現在、なんと続編の制作が着々と進んでいるようです。
この先の結末がどうなるか、改めて劇場でチェックするとしましょう。



余談:ドントなんちゃらは邦題で大量生産されているので、レンタルショップでは気をつけましょう。




「お前らも見えない世界に来ればいい。  --ノーマン」

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