312本目 バタフライ・エフェクト/SF映画史上、最も切ないハッピーエンドをレビュー
映画レビュー/概要
312本目 バタフライ・エフェクト/The Butterfly Effect2004年
監督:エリック・ブレス
主演:アシュトン・カッチャー
評価:★★★★★
幼い頃の日記を読み返すと、過去に戻る能力を得た大学生。
不幸な道のりを辿ってしまう彼女のために過去を書き換えるが、未来では別の悲惨な事故が起きてしまう。
何度も過去へ戻り、修復を繰り返していくが……。
小物SF小説家大絶賛の一作
まったく箔が付かない紹介の出だしですが、この作品を観ないのは本当にもったいない。日本人が大好きなお涙頂戴の中にSFが混ざるわけですが、別にタイムトラベルがよくわからなくても大丈夫な親切設計。
なんなら、『君の名は。』がヒットしてその波乗りをした人であれば特に問題は無いはず。
「でもこれって鳴海が個人的にツボなだけでは……?」と思った方。
いいから観て。
タイムトラベルには危険がつきもの
過去に戻ることができるようになった主人公のエヴァンは、悲劇に見舞われる恋人のために何度もタイムトラベルを繰り返します。単純に悪い出来事を正せば未来が明るくなるわけではない、というのがポイント。
題名の通り、この作品には”バタフライ・エフェクト”といわれる理論を軸に構成されています。
よく例えで、蝶が羽ばたけばその地球の裏で竜巻が起こるなんていう話がありますが、小さな要因が大きな出来事の引き金になる、ということです。
主人公が良かれと思ってやったことも、後々のことを思えばそれが悲惨な出来事の元凶になりえる、というもの。
だからこそラストの切なさに繋がっていくわけなんですが。
じっくりと考察していきたい人にもオススメ
パズルのピースが埋まっていく感覚が大好きな方にも大変オススメです。主人公の記憶に、歯抜けのような部分がある、というところが非常に大きなポイント。
”あの時” ”どうして” ”こういったことが起きたのか”
こういう言葉が好きな人は、必ずやドハマリすること間違いなし。
伏線が”ほぼ”回収されてスッキリするんですが、幸か不幸か、この作品はディレクターズカット版のエンディングが存在します。
過去に遡った数だけエンディングがあると考えればそれもまた一興ではあるんですが、監督の考えと配給側の意図が必ずしも一致はしないというのは、どんな作品でもあり得るようです。
そんな大人の事情から、脳裏のどこかが引っかかる感覚がある人は未公開シーンも含めて全て観ましょう
そうすれば、必ずや全てのピースが埋まる……はず。
ちなみに観終わった方は、劇場公開版と同じ結末を自身でも取りますか?
それとも、別の結末を目指して何度でも過去へ遡りますか?
「幸せにしてくれるって、言ったじゃない。 --ケイリー」
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