映画レビュー/概要

309本目 インビジブル/Hollow Man
2000年
監督:ポール・バーホーベン
主演:ケヴィン・ベーコン、エリザベス・シュー
評価:★★★


国家の秘密プロジェクトである『生物の透明化』。
動物への実験を続けていたが、他のメンバーの言葉も聞かず、人体実験を行うことにした天才科学者が一人。

彼の実験は成功したが、凶暴性が徐々に増していき……。

悪役としてのケビン・ベーコンが非常に映えるシリーズ第一作目。



透明人間になれたら、何がしたい?

昔から取り上げられる”透明人間”というSF題材。
どうして毎回透明人間って悪いことばっかりするんでしょうね。
いや、厳密に言えば日本で取り扱われたものの中では善人として活躍するケースもあるんですが。

実際に自身が透明になってやりたいことはなんでしょうか?
数ある映画の中でよく起きる事件は大体、

・強盗
・のぞき

などなど。
要するに、透明になったら悪いことをしたくなる。
何故なら、自分が見えていないから犯人にはならない。
自身の存在が無いことによって、文字通り”ひと目を気にしなくていい”わけです。

今作では、自身の中にある”悪”が露骨に表現されてしまいます。

天才が実験を行うとろくな結果にならない

会社やら国やら、上層部的な何かから追い詰められた科学者は、結果を出そうとろくでもない道へ進んでしまいます。
この映画も例外無くそれと同じルートを辿ります。

現代の会社という組織においてもまさに同じかもしれません。。。

天才科学者である主人公は、透明化を成功させるために自身の体を使って実験。
成功はしたものの、凶暴化というデメリットが顕著に現れ、ついには殺人事件を起こしてしまう……。

ストーリーは至ってわかりやすく、見えない殺人鬼に襲われるかもしれないというハラハラを後半まで味わうことができます。
見えない恐怖から逃げる、というのはホラー映画に通じるものがあるので、案外夏時期に適した映画かもしれないですね。




見せ場というか隠れ場っていうか

ケビン・ベーコンの登場作品で一番好きなのは『トレマーズ』なんですが、それ以外の作品だと彼は大抵悪役をやっているんですよね。
悪役だと今作が一番好きで、最初は善人である彼が欲に塗れていく姿が最高で。
いや、実際に姿は全然見れなくなるんですけど……。

でも、見えていないのに演技を感じられるってすごくないですか??
これこそ演者冥利に尽きるって気がして、『インビジブル』のケビン・ベーコンが好きです。

CG処理有りきにはなっちゃうんですけど、血液パックをかけられた後の顛末が一番好きです。
あそこにこの作品の恐怖が詰まっていると鳴海は思っています。
見えない姿の内側にある”悪魔”と呼ぶに相応しいですね。





「仕事をしろ。  --セバスチャン・ケイン」

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