映画レビュー/概要

843本目 N号棟
2022年
監督:後藤庸介
主演:萩原みのり

評価:★

◯序盤はジャンプスケアでちょっと怖がることができるなー、と思ったところまでが個人的に一番でした。後は……。
×イチャイチャしとる場合かお前達は!!!何見せられとんねん!!!!!
×明らかにヤバいのに、何で逃げないの?馬鹿なの???


ミッドサマー観たんですよね?


初めに断っておきます。
本作は”考察型恐怖体験ホラー”という名目で公開された作品です。

つまり、”考察を前提とする”ということが必要になるので、ただただホラーを観たいという人にとっては「は???」となるシーンがオンパレード。
隠してまでオススメしたい、とはなりませんでしたので今回はエンディングまでの流れについてお話しちゃいます。

率直な感想としては「んー、じんわりと面白くなかった」ってとこです。
個人的に良いなと思ったのは、団地に来てからの不穏な空気と怪奇現象が起きる序盤。
これから「お、邦画のホラーにしては結構怖がらせてくれるかも?」と思ったところが頂点で、後はジェットコースターばりに下降しまくりでした。
同意見になる方は、”考察よりもホラーとして楽しみたい”と思う気持ちが強めな、鳴海と同じ観点でご覧になられた形でしょう。

序盤に主人公である大学生がタナフォビアであること、大学の友人に馴染んでいるようで馴染んでいないこと、リア充であることがわかります。
本当にリア充であるかどうかが微妙な空気感が流れつつ、

・明らかにヤバい団地なのにずかずか入り込んだり
・カメラを止めるな!と言わんばかりに絶対カメラを回させて
・奇っ怪な幽霊団地で元彼?とイチャコラしはじめる

という、まったくもって感情移入できないシーンがあちこちに。

そして目に付くのが数々のホラー映画のオマージュ的展開。
サイコみたいにミイラ化した死体が出てきたり、ホステルみたいに死体捌いているやつが居たり、挙句の果てには全体的にミッドサマー。

これが主人公の脳内妄想である、という考察を読ませていただいて「なるほど」と思った反面、それにしちゃあまりにもそれを読み取ることが厳しい描写ばかりだったので作品に対して納得感が薄いです。

最終的にまた団地で過ごしている、ということで結局は死んで霊体としてそのまま居続けることになったのか、本当にただの妄想としてあの団地の描写があるのか。
死ぬ前に叫びながら言っていたことが本音ではあると思うんですが、それが真実かもしれないしそうじゃないかもしれない。

妄想にしろ現実にしろ、どっちだとしてもホラー作品としてはあまり刺さらなかったので★1つにて……。





#鳴海の一人でキネマ
#N号棟
#映画レビュー