映画レビュー/概要

844本目 1922
2017年
監督:ザック・ヒルディッチ
主演:トーマス・ジェーン

評価:★★★

◯一つの過ちからとんでもない方向にずっと突き進んでしまう様子は『ミスト』を彷彿とさせる。主演のトーマス・ジェーンが起用されたのはそれも理由?と思ってしまうくらいにはじんわりメンタルに来る。
◯ホラー作品として楽しむというより、人物描写を中心とした心理スリラーとしての楽しみが非常に大きい。
△息子さん、お母さんそんなにぱっと殺す感じになっちゃいますかね??わからんでもないんですが、殺す程なのかなーというのは劇中の流れを見ていてはちょっと疑問。もしかすると原作ではもっと細かく描写されていたかもですが。


ネズミめっちゃ嫌いになりました


スティーブン・キング原作と言われるだけで身構えてしまう鳴海が、『1922』においても同じことを考えないのは無理な話でした。

始まりから自分が犯した罪について語り始めるスタートも、ねっとりと恐怖心を煽ってくる音楽や描写も原作準拠なんだろうなと思わせてくるあたり大変鳴海好みだったんですが、明日月曜日なのに(投稿日が日曜)こんなどんよりした気持ちになる必要は無かったなと後悔してしまうレベルでした。

土地と農場を守るために妻を殺した夫が、それをきっかけにどんどん悪い方向に進んでいってしまい、当人もそうですが観ている人の感情もぐちゃぐちゃにしていくという心理ダメージの大きさは中々のもの。

「あの時妻を殺していなければこんなことにはならなかったかもしれない」

そういう後悔を残して最後には”お迎え”が来てのエンド。いや、そのまま生かされる可能性もありますね。生きていることこそ地獄

人生の選択ってこういうことの連続かもしれませんが、後戻りできないレベルで最悪の展開が続く人ってスティーブン・キングの作品に出てくる人だけだと思うんですよね普通。

意外と現実でもこういうことがあるから悲惨な事件って起きるんだろうなという、超常現象的なホラーの怖さというよりもある意味ヒトコワ的な恐怖を味わえるので、そういう作品が好きな方にはかなりオススメですね。

・妻を殺して問題が片付いたと思ったら息子が恋人を妊娠させて出ていく
・妻を殺したはいいが、結局自身はお金が無いことに困り続ける
・挙句の果てには息子と恋人も死亡
・ネズミに齧られたせいで左手が無くなる

天罰ってこういうものだ、というのを実写映画化してくれた教材としてみんな観たほうがいいかもしれないです。

ただひたすらに落ち込んでいるこの気持ちが、「今作は面白かったですよ!」という風にこの記事を読んでくださっている方に伝わると嬉しいです。
タイピングしている筆者の顔は死んでいますが、楽しんだことには間違いありません。


はぁ……。





#鳴海の一人でキネマ
#1922
#映画レビュー