映画レビュー/概要

501本目 未来のミライ
2018年
監督:細田守
主演:上白石萌歌

評価:★★★

◯作画については異を唱えるようなことはあまり無かったです。個人的には。
△映画に求めているものの違いが勝手に観ている人=鳴海の評価に直結しているような気がとてもする今作。
というのも、『時をかける少女』や『サマーウォーズ』などのエンタメ的楽しさを求めてしまっていたのは間違いなくありますが、今作は”別にこれを求めているわけではなかった”と思ってしまうリアルな育児描写がなんともハマりにくい感じが強めでした。


時空を超える設定を入れるなら、もっとリアル控えめでも良かったような


タイムトラベル。
これだけで充足感が得られるくらいには鳴海が好きな要素なのですが、今作は時空を超えた冒険と家族の愛をテーマにした感動作品。

4歳の男の子・くんちゃんは、妹のミライが生まれたことで両親の愛情を奪われたと感じ、日々戸惑いと嫉妬を抱えています。
4歳の子の嫉妬、わかるにはわかるんですが、この後起こる奇妙な出来事のことを考えるともう少し年齢設定上げた方が共感しやすかったかもです。

4歳の子に兄としての責任感をそんなに背負わせる必要無くない??の方が先行しちゃうんですよねどうしても。
「むしろもっとかまってあげて!」とすら思ってしまう始末。

更に、未来のミライちゃんが来るだけではなく、曽祖父とのエピソードも絡めてさぁ大変。
いきなり激重エピソードになってしまい、確かにこれはこれで楽しめる要素ではあるんですが、尚更くんちゃんを4歳にしなくても良かったのでは??と思う気持ちが加速していく一方で。

現代の家族像がリアルに描かれているのもまた、今の御時世を反映する形で共働きの両親が家事や育児を分担しながら生活する姿は共感を呼ぶと共に、なんだか現実を見せられているようで「別に作中でもリアルを観たくはないんだよなぁ」と思ってしまう鳴海タイプの人には尚更マイナスになった可能性が。

自身の幼少期を思い出しつつ、家族との愛を感じるテーマとしてストーリーを展開させるのであれば、くんちゃんを中学生か高校生くらいの設定にしつつ、未来のミライちゃんをもう少し大人に……。
あれ、そうしたらそもそもの話もちょっと違和感出てきちゃいますね。これはこれで楽しそうな気もするんですが。

何はともあれ、個人的にハマるようんでハマりきれなかった一作です。





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