66本目 リング0 バースデイ

2000年
監督:鶴田法男
主演:仲間由紀恵
評価:★★★★

日本のホラークイーンこと、”貞子”がどうやって生まれたのか?
全世界にトラウマを生み続けた『リング』シリーズ、ついに完結。

最後の最後に、恐ろしい恐怖を世界に残した。





可憐な女性の悲劇的末路

ホラークイーンと言うくらいだから、生前からヤバイ人間だったんでしょ?と思われる方もいらっしゃるかもしれない。
別のホラークイーンは生前からヤバかったのだが(それについてはまた別の機会に)、貞子の場合は何の変哲も無い、というよりはむしろ普通の女性であった。

超能力に関する力は母親からしっかりと受け継がれてしまっており、その力によって悲劇が生まれるわけだが、一人の女性としてはとても優しく美しい人物であった。

この物語の展開を追っていくと、様々な人々を殺すことになる”呪いのビデオ”が生まれる発端というのはもとを正せば人間のせいである。

映画界でよくあるセリフだが、本当に怖いのは”人間”ということに帰結する。

”仲間由紀恵”という名が世に知れ渡る前のお話

今回は主人公兼ヒロインである、”山村貞子”を演じた仲間由紀恵さんにも触れておきたい。
今でこそドラマや映画で見かけることは不思議でないが、この作品に登場した頃は無名に近かった。
この作品によって、かの有名な『TRICK』や『ごくせん』に抜擢されることとなる。

運命とはわからぬものですな。

悲劇で終わるだけだと思いきや……

原作と違う設定として、貞子は”海から来た化け物”の子とされている。
それによるものなのか、化け物としての貞子が覚醒する前と後でギャップが強すぎる。

それまで美しかった女性は、自分を殺そうとした人間達をいとも簡単に呪い殺していく。

今作でトラウマになったシーンは、覚醒した貞子が記者を廃屋に追い詰め呪殺しようとするシーン。
それまで殺そうとしていた人間達が次々と死んでいくだけでも耐え難いと言うのに、最後の最後ににじり寄ってくるところは、まるで一作目に高山を殺そうとしたシーンを体現しているかのよう。
カメラワークもズルすぎる。これぞジャパニーズホラー……。



ふぎゃあああああ!!!!!!!!!!!!!!(二度ある絶叫は三度ある)







『リング』シリーズはこれで終了となるが、思わぬ形で貞子は復活することになる。
”あの”ホラークイーンと対決することになるのは、まだ先のお話であるが。


「遠山さん……。  --山村貞子」

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